物事は白黒つかないことがほとんどだ。

夫婦喧嘩の原因もほとんどこれのような気がする。例えば、食器の重ね方なんて決まりはないのに、ごはん茶碗を重ねるのが正解と考えてしまうと、相手が違うことをすると腹が立ってしまう。

このようなどうでもいいことを積み重ねると、時折怒りが爆発してしまう。しかし、冷静になつて考えると甚だバカバカしい。

正解ばかりを追い求めると、世の中窮屈になってしまう。大抵のことはどっちでもいいか、違ったところで大差はない。大事なのは、全くの間違いを犯さないことだ。

仕事だってそうだ。こっちが正解だと思っても、見方を変えればそうではないことだってありうる。今すぐ会員になってもらうのか、ゆっくり会員になってもらって長く続けてもらうかは、どっちが正解かは結局わからない。

銘柄選択も同じだ。唯一絶対の選択肢なんてありえない。だからこそ、自分のわかる範囲でベターなものを選んでいくしかない。時間は有限なのだ。

株式投資は、まさに不安定の寛容度が試される場だと思う。絶対に正しい未来なんて存在しないし、株価が不安定であるほど、投資妙味は高い。ほとんど値が動かない株なんて、持っているだけ無駄である(配当除く)。

ありのままを受け入れる姿勢は、禅の考え方によく似ていると思う。坐禅は姿勢を正したり意識を無にすることではなく、自然な体制で浮かんでくる仕事をそのまま消化することらしい。

不安定で正解がなくても、ありのままに受け入れる。それが精神を安定させ、幸せに近づく第一歩なのかもしれない。