同期入社の友人が、ふと家を訪ねてきた。
彼とは正直そこまで親密な仲というわけではない。もちろん不仲ではないが、顔を合わせたらひととおりおしゃべりするくらいの関係だ。
今回の訪問も、そんなおしゃべりがきっかけだった。自分が家を買ったと話したら、来てみたいという話になっていた。
こんなのは社交辞令だから、快くOKした。自分はその後会社を辞めたから、そんな話をしたことは全く忘れていた。
彼は有給が取れたからと、当日に連絡してきて、東京から原付でわざわざやってきた。当日に連絡したのは、予定が変わってドタキャンになったら迷惑だろうからという気の使い用だ。
1時間くらい話したが、とてもいい時間になった。もともといいやつだから、妻とも打ち解けて育児の情報交換をしていた。
この歳になり、仕事柄もあって新たな友人を作る機会はそう多くないだろう。外交的なほうでもないので、このまま付き合う人間も減っていくだろうなと、半ば諦めに近い気持ちもあった。
しかし、わずかなきっかけでもこうやって訪ねてきてくれるのは嬉しいことだし、そういう友人は大切にしなければと感じた。人脈は何よりの財産だ。