投資は、その人の性格にあったやり方じゃないとうまくいかない。これは真理だと思う。
僕の投資哲学はバフェットを入り口に、グレアム、テンプルトン、フィッシャーといろんな人の考えをたどってきた。
多くのバリュー投資家に言えるように、基本はグレアムである。株式本来の価値よりも割安な価格で買う。それが全てである。
しかし、何を買うかは人それぞれだ。例えば、グレアムはダメダメな企業でも、資産があればそれだけの価値はあるはずだという、バフェットの言う「シケモク投資」を提唱した。
フィッシャーは成長性に目をつけ、成長性があるならそれだけの価値があるはずで、今のバリュエーションでは到底測れないからバリュエーションは気にせずに投資すべきだと説いた。
テンプルトンは、人の真理に着目し、過度に悲観的になっている銘柄を買い、楽観的になっている銘柄を売ることが最善だと考えた。
バフェットの考え方はこれら全てを統合した考え方であるように思う。しかし、特徴的なのは、投資対象を「永久投資銘柄」としていることだ。
投資アドバイスすることを考えると、「永久投資」まで言ってしまうことはかなり勇気がいる。それに、テンプルトンが言うように、マーケットには波があるから、いい時に売ることはやはり必要であると思う。
昔からの言葉にあるように、個別の銘柄についても必ず「栄枯盛衰」がある。もっとも栄えている時に売らずに、衰えてしまうのを待つというのもいただけない。
実際、バフェットは後期こそ永久投資を実践しているが、前期は2〜3年程度で売却している。大幅な割安株が暴落した時に買って、十分に上がったら売っているのである。
もちろん、暴落しても戻るだけのいい銘柄を買わないといけない。しかし、永久に株価が上がり続ける銘柄はおそらく存在しない。楽観論が幅を利かせるようになったら売り時だろうと思う。
自分の性格に合っているのは「確実な利益創出力が認められるいい銘柄を、一時的な要因で過度に売り込まれた銘柄を割安な価格で買い、妥当な価格まで上昇したら売る」方法が合っているのではないか。その場合、推奨銘柄に関しては売却タイミングをアドバイスする必要があるし、むしろその方が投資家にとって価値がある気がする。
バフェットと同じである必要はない。最後は自分の投資哲学を固めることこそが重要だ。