バフェットと並ぶバリュー投資家であるジョン・テンプルトンの著書。

「強気相場は悲観のなかで生まれ、懐疑のなかで育ち、楽観とともに成熟し、陶酔のなかで消えてゆく。悲観の極みは最高の買い時であり、楽観の極みは最高の売り時である。」

という名言を残している。これがまさに彼の投資ポリシーを表した言葉だ。

みんなが買っている時に買っても儲けることは難しい。みんなが売っている時にこそ、株価は本質的な価値を下回り、大きく割安になっている可能性がある。

真のバーゲンハンターは、国を限らず世界中で割安株を探すべきだ。テンプルトンも米国株にとらわれず、日本株や韓国株で大きな利益を上げた。もちろん、十分に調べた上での投資である。情報の不足は、割安株を生む大きな要因となる。

評価手法はPERとPEG(PERをEPS成長率で割ったもの)を使っている。PEGまで使うことで、成長性を加味した評価をすることができる。ただし、単純に低くてもその中身に無理がないか精査しなくてはならない。

彼が株を売るのは、今持っている株より5割以上割安な株を見つけた時だという。バフェットが「永久保有」を標榜しているのに対し、テンプルトンは売りの基準まで明確である。

古来のチューリップバブルより、バブルは何度も繰り返す。我々は歴史から学ぶべきであり、人々は歴史から学ばないということを覚えておくべきだ。彼はそうやってITバブルには手を出さなかった。

合理性で言えば、バフェットよりもテンプルトンの方が上手かもしれない。特に売りや相場の見方についてはそうだ。バーゲンハントの考え方は、自分の考えにそのまま応用しても全く違和感がない内容である。

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