ダニエル・ピンクの「フリーエージェント社会の到来」を読み、ここに書いてある内容こそ、自分が手に入れたい生き方だと確信した。

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ピンクによると、米国人労働者の4人に1人、最大で3,300万人は「フリーエージェント」として組織に所属せず働いているという。このなかには正社員になれなかった臨時社員も含まれるが、組織で働くのをよしとせず、自らフリーエージェントになる人は増え続けている。

これまでは生産手段が職場にあり、組織としてそれを使用することで生産を可能にしていた。しかし、今では知的労働はパソコン1台あればできてしまい、通勤時間を割いてまで職場に出勤する必然性は減ってきている。

そもそも、職場に出勤しなければならなくなったのは産業革命後であり、それ以前はずっと職場と家の間に区別はなかった。したがって、職場に出勤する必然性がなくなれば、家が仕事場になることは至って普通のことだ。

フリーエージェントの仕事の基準は、出世やお金ではない。「自由」「自分らしさ」「責任」「自分なりの成功」である。マズローの考え方に基づいても、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求の低次の欲求が満たされたら、次に来るのは尊厳欲求、自己実現欲求の高次の欲求である。フリーエージェントの仕事の基準は高次の欲求を満たすものである。

フリーエージェントの一番の問題は、仲間がいないことである。職場にいれば誰かが仕事を持って来て、あーでもない、こーでもないと言い合う同僚がいたが、家で仕事をしていたらそれはない。そこでは「弱い絆」が重要になってくる。Facebookやサークル活動に参加して、顔を広くする必要がある。
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自分は職場に行くことに違和感を感じている。その理由がこの本を読んではっきりした。

一つは、家でやれば3時間で終わりそうな仕事を、通勤時間も合わせて8時間もかけてやることに対する違和感である。これはあまりに非効率である。家でできるものならば家でやってしまいたいし、空いた時間を家族や自分のために使いたい。

もう一つは、自分の生き方の基準との相違である。自分が一番大事にしていることは「自由」だと思っている。もちろん、何でも自分がやりたいようにやるということではなく、一定の制約のもとで自分が一番いいと思うやり方を実行することである。結果責任は負うことになるが、組織にいて誰かに言われてやったことが成功してもあまりうれしくないし、失敗しても責任の所在が曖昧では全く張り合いがない。

独立するに当たって気がかりだった「仲間」についても書いてあった。人間が社会的動物である以上、挫けそうなとき、仕事がうまくいかないときに仲間の存在は重要である。「弱い絆」をより多くするためにも、今から一期一会を大切にしようと思う。そして、なるべく自分の考えていることを人に伝え、仲間の輪を拡げていきたい。

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