パーキンソンの法則は官僚組織がいかに愚かで無駄な時間と労力を費やしているかを明らかにしたものである。欧米ではベストセラーになっていが、日本ではあまり知られていない。しかし、その内容は日本の特にホワイトカラーが今読まなければならない本である。

組織に属する人間は自分の地位を上げるため、自分の仕事をまるまる誰かに任せることはせず、複数の部下に分担させる。そうすることにより、本当にやるべき仕事に関係なく組織の人員と無駄な仕事が増えるのである。

会議で何かを決定するときは中間派の票が重要になる。中間派は自分の意見をもたず、都合のいいと思われる方に流れる。会議にちょうどいい人数は5人でである。

決議が必要な事柄に関し、金額が大きすぎると実感がなく関心は失われる。内容が難しければ尚更だ。一方内容、金額ともに身近であるほど議論は延々と続く。100億円の原子炉よりも10万円の自転車置き場に議論が費やされるのである。

求人は幅広く募集するだけ応募が多すぎて時間の無駄である。欲しい人材は可能な限り能力を限定したほうがいい。

立派な建築物が完成する頃には、その繁栄は末期である。

上役は自分より劣った人間を部下にするため、組織はどんどん愚かになっていく。唯一の解決策は、馬鹿な振りをした利口者が権力を取った時点で豹変することである。

今いる組織を振り返っても、これにあてはまることがあるだろう。この本では解決策は示されていない。知った上でそのまま飲まれるか、解決策を出すかは自分次第である。