・日本企業のROEは低く、PERは高い
日本企業は欧米に比べてROEが低い。様々な資料があるが、日本企業が6%程度というのに対し欧米が10%超という水準が大勢だ。一方、PERは高く米国が13倍程度というのに対し、日本は17倍ある。
世界のPER(銀行.info)
http://www.ginkou.info/modules/per/
ROEとPERは以下のように分解される。
ROE=当期純利益/株主資本
PER=時価総額/当期純利益
すなわち、日本企業は株主資本に対する利益率が低いのに対し、利益に対する企業価値の評価は高いということだ。これには何か原因があるのだろうか。
・企業価値の計算
企業価値の原則は毎期のフリー・キャッシュフローを株主の要求収益率で割り引いたものの合算である。式にすると以下のようになる。
企業価値=FCF(1)/(1+r)+FCF(2)/(1+r)^2+FCF(3)/(1+r)^3・・・
ここで、15の利益の企業と20の利益の企業の価値がどうなるかを考えてみる。(ここでは負債価値は一旦無視することにする。)企業価値は一般的には永続で考えるので、その前提だと当然20の利益の企業の価値の方が高い。しかし、15の利益の企業の存続期間が20年だとしたとき、20の利益の企業は13年以上存続しなければ15の利益の企業より企業価値が低くなるのである。
以下のリンクにある通り、時価総額トップ100にランクインする企業の平均滞留年数は日本企業が6.433年、米国企業が4.825年となっている。
【会社の寿命】今や"寿命"はわずか5年(日経ビジネス)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090212/185916/
・結論:日本の企業の価値は存続期間にある
以上より、日本の企業は収益性は低いが、それを継続する力があることにより企業価値は高く評価されていると言うことができるだろう。それを踏まえると、当期のROEが低いことは一概には悪いとは言えず、またPERの指標も必ずしも参考にならないこともあるのである。
日本企業は欧米に比べてROEが低い。様々な資料があるが、日本企業が6%程度というのに対し欧米が10%超という水準が大勢だ。一方、PERは高く米国が13倍程度というのに対し、日本は17倍ある。
世界のPER(銀行.info)
http://www.ginkou.info/modules/per/
ROEとPERは以下のように分解される。
ROE=当期純利益/株主資本
PER=時価総額/当期純利益
すなわち、日本企業は株主資本に対する利益率が低いのに対し、利益に対する企業価値の評価は高いということだ。これには何か原因があるのだろうか。
・企業価値の計算
企業価値の原則は毎期のフリー・キャッシュフローを株主の要求収益率で割り引いたものの合算である。式にすると以下のようになる。
企業価値=FCF(1)/(1+r)+FCF(2)/(1+r)^2+FCF(3)/(1+r)^3・・・
ここで、15の利益の企業と20の利益の企業の価値がどうなるかを考えてみる。(ここでは負債価値は一旦無視することにする。)企業価値は一般的には永続で考えるので、その前提だと当然20の利益の企業の価値の方が高い。しかし、15の利益の企業の存続期間が20年だとしたとき、20の利益の企業は13年以上存続しなければ15の利益の企業より企業価値が低くなるのである。
以下のリンクにある通り、時価総額トップ100にランクインする企業の平均滞留年数は日本企業が6.433年、米国企業が4.825年となっている。
【会社の寿命】今や"寿命"はわずか5年(日経ビジネス)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090212/185916/
・結論:日本の企業の価値は存続期間にある
以上より、日本の企業は収益性は低いが、それを継続する力があることにより企業価値は高く評価されていると言うことができるだろう。それを踏まえると、当期のROEが低いことは一概には悪いとは言えず、またPERの指標も必ずしも参考にならないこともあるのである。