CCMを通じて思ったことだが、日本流のやり方も捨てたものではない、というか、日本人の気質に合わせたやり方をすることが強みを生かすことに結びつくこともあると思った。

例えば、投資銀行業務では、日々生き馬の目を抜くような短期的な仕事は日本人には向かないが、長期的・定期的に顧客と関係を結ぶことには長けている。それが悪い方向に出るとただ関係をつなぐことだけに主眼が置かれて飲み食いゴルフが中心になってしまうが、しっかりとした内容の提案を定期的・長期的に行うことが出来れば、素晴らしい提案でなくともいつか案件に結び付けられるのではないか。

自分がマネージャーだったら、例えば「週1個提案」ということを課しルーティーン化して日本人の真面目さを生かし、顧客と長期的な関係を結ぶことを重視するだろう。

これまで、何でもアメリカ型の資本主義を導入すればいいと考えがちなところがあったが、そうではない。人の性質を変えることはあまりに難しい。だったら人の性質を変えるのではなく、客観的に見て強みを生かす戦略を考えることもマネジメントを行う上では重要なのだと思う。