先日遂に入籍した。まだ一緒には住んでいないし、自分は名前が変わるわけでもないから特段の変化はないが、心境としてはいよいよ身が引き締まる。

そのような状況なのだが、入籍翌日に早くも不穏な空気が流れてしまった。新居の内見をしていたのだが、そのあと家具の配置などを巡ってことあるごとにいさかいが生じ、お互い煮え切らないまま帰路に着いてしまったのだ。

自分の感覚では、妻が自分の発言に対していちいち本質的ではないことに揚げ足取りをしてきて、自分はそれに対する反論のために本当に話したかったことを見失ってしまうというやりとりが続いた。丁寧に説明しようとしても、却って言い訳っぽくなってしまい、状況はより悪化した。しまいには口をつぐんでしまった。

特にイラッとしたのが、前から議論になっていたカセットコンロについてだ。自分は既に持っているホットプレートを使えばよいと言うのだが、妻は非常時のためにカセットコンロがいいと言うのだ。そして、昨日はいきなり「ホットプレートを捨てて」とまで言い出したから、自分はあからさまに嫌な顔をしてしまった。

自分の経験から言えば、普段使いだとガスがすぐ切れてしまい温度の調節も効かないホットプレートの方がはるかに便利だ。カセットコンロは確かに非常時には役立つが、そのために普段使いの物を変えるまでもない。非常時はそのとき用に準備していた方がガスがないなんてこともないだろうから効果的だろう。(これだけ理路整然とわかりやすくその場で説明できたらいいのだが・・。)

このようなやりとりが続いてしまっては決して良くないと思うので、相手に責任を求めるのではなく、なんでこうなってしまうのか考えた。

一つの原因は、自分も妻に違わず否定的になってしまっていることではないか。確かに、私は自分が正しいと思ったら絶対に譲らない性格なので、それが結果として妻を否定していると受け止められているのかもしれない。

もう一つの原因は、妻のコンプレックスがあるのではないかと思う。妻ははっきり言って聞いたこともないような大学出身である。学歴が全てだとは全く思わないが、私とのギャップに悩んでいる節はこれまでも見られた。揚げ足取りをしてしまうのは、自分が認められたいということの裏返しなのかもしれない。

以上の仮説から、自分が行うべき指針を考えてみた。

1. 妻の話を否定しない
2. 自分が正しいと思っても、大勢に影響がないことであれば一旦言うとおりにしてみる
3. 妻のことをことあるごとに褒める


まずは妻を否定しないこと、そして大勢に影響がないのであれば受け入れる。そして、妻が正しかったら褒めることだ。こうした方が自分も気持ちがいいし、妻のコンプレックスも次第に取り除かれて行くのではないか。


旅は始まったばかりである。前向きに行こうではないか。