この三連休は特に予定がなかったこともあり、朝遅く起きてダラダラ過ごしてしまうという非生産的な生活を送ってしまった。勉強することがたくさんあるとはいえ、やるべきこと・やりたいことを時間を区切ってやらないと新たな発想も生まれないだろうから、休みの予定は極力事前に入れるように心がけたい。


さて、今月に入って、フィナンシャル・プランナーの藤川太氏の本「サラリーマンは二度破産する」「マイホーム、買ったほうがトク!」「1億円貯める人のお金の習慣」を図書館で借りて読んでみた。

これを読んだ動機は、ひとつは結婚するにあたって自分のお金の使い方を見直したいということと、もうひとつは将来立ち上げる株式投資アドバイザーにフィナンシャルプランナーの要素が絡んでくるからどのような仕事なのか知っておきたいということである。

ざっと読んでみて、お金持ちになるためには3つのフェーズがあると自分では理解した。ちなみに、「お金持ち」の定義だが、ここでは年収が高いことではなく、豊富なキャッシュフローを生む資産を持っていることとする。現実的にもそういう人が余裕を持って生活していることが多いからである。

①お金が貯まる仕組みをつくるフェーズ

もともとお金持ちでない限り、最初からお金がたくさんあるということはない。ゼロからお金持ちになるにはまず日々のキャッシュフローから貯蓄をする仕組みを作らなければならない。当然年収が高い方が有利であることは自明だが、自分の会社の上役を見ていても感じることだが、年収が高くても日々の支払いに苦労して全然資産がないという人はかなり多い。

思うに、年収が多い人は自分の年収が上がっていくに従って消費も膨らんでいき、お金が貯まる仕組みが出来上がらないまま退職を迎えてしまい、給料が下がったり退職してからは増えた消費に自ら縛られて苦しい生活をしなければならない可能性がある。

年収が多いにしろ少ないにしろ、まずは「お金が貯まる仕組み」を作り上げることが肝心である。そのためには、少し手前味噌になるが節約をしなければならない。

しかし、闇雲に節約をしていても苦しいだけである。そこで、まずやるべきことは、目標に向けた予算を立てることである。月に15万円貯めると考えたらまずはそこを別の口座に移す。そこから1ヶ月の自分の消費とにらめっこし、必ず使わなければならないお金を抽出していく。

必ず使わなければならないお金、すなわち固定費の見直しこそが節約をする上では鍵になる。代表的なものは家賃や住宅ローン、駐車場代、保険料などが挙げられるだろう、また、拡大解釈すると毎日買っているペットボトルのお茶などもあるだろう。ここは削減するときはやや苦痛を伴う可能性はあるが、慣れてしまえばどうってことないはずだ。逆に予算内で余ったお金は自由に使えると考えると、心に余裕ができるかもしれない。また、もしかしたら想定より貯金ができる可能性だってある。

次に見直すのは大きな出費である。結婚式費用や車、住宅の購入など、一度に大きな出費をするときはお金の感覚が麻痺してしまっていることが多い。しかし、人の行動を見ていると、スーパーで買う卵が10円やすいかどうかでずっと気を揉んでいるくせに、3000万円のマンションを買う時の100万円の違いはこれくらいいいか、と見逃してしまうことが多い。これはおかしな現象であるが実際にいたるところにはびこっている。

この過ちを防ぐために、大きな出費をするときは必ず対案と比較し、値切れるものは値切り、ちょっと面倒くさくなっても妥協を許さないことである。また、どうしても高い物を買うときは再販価値を考えるといらなくなった時に返ってくる金額が大きい。家や車はもちろん、最近ではネットオークションを見ればすぐに価値が分かるのでここも気を付けたい。

また、出費に「聖域」を作らないことも肝心である。よく聖域となってしまうのは子供の教育費であるが、自分が大学まで公立で、塾も全く行かなかったことを考えると、お金をかければいいというものではないことは分かるし、むしろ子供には公立でやんちゃに逞しく育って欲しいものである。

②お金を殖やすフェーズ

貯まったお金はある程度増やさないと、残念ながら大した金額にはならない。先の例で言うと、月15万円ためても年間180万円、10年で1800万円にしかならない。定年まで40年間働いたとしても7200万円と、1億円には届かないし、それまでに大きな出費もあるだろうから、実際はもっと少ない。

お金を殖やすには、「フローを殖やす」のと「ストックを殖やす」の二通りがある。

フローを殖やす方法としては不動産投資がオススメである。今不動産の転売による値上がり益を得ることは難しくなっているが、物件の値段が下がっている分高利回りは期待できる。また、借入によりレバレッジをかけることができるため、実力以上の投資を行える。さらに大企業のサラリーマンであれば信用が高いので借入も行いやすい。時間に余裕があればやってみたいことのひとつである。

ストックを殖やす方法はいくつかあると思うが、私は株式投資をオススメする。よく投資は分散させた方が効率的だから投資信託がオススメだと言われるが、市場全体が上がる可能性が見通せないなかで、なんでもごちゃまぜに入っていて手数料も取られるものに投資するのは愚かである。だったら、手数料も安く、自分でしっかり中身を見ることができる個別株投資の方がよいだろう。ここで自分の本業である株式投資アドバイスが生きてくる。証券アナリストとフィナンシャルプランナーのNew Combinationである。

③お金に働かせるフェーズ

②まででお金が1億円貯まったら、あとはお金が勝手に稼いでくれるようにする。

1億円で5%の利回りが期待できるとすれば、年間500万円の収入となる。これだけあれば、とりあえず食っていくには困らないだろうし、年金がなくても安心だ。具体的なアセットとしては不動産やREIT、高利回り債券があるだろう。

また、資産がたくさんあるため、法人を作るなどして節税対策も本格的に行いたいのがこのフェーズである。なお、節税対策についてはフェーズに関わらずやっておきたい。下記のサイトによると、年収500万円のサラリーマンで年間約120万円の税金等を払っているということである。驚きの数字だ。節税対策には個人年金保険や住宅ローン控除、不動産投資や法人設立などがある。

http://www.shotokuzei.net/

ここまでくれば働く必要もなく、お金も時間もある「本当のお金持ち」になることができるだろう。