イー・アクセスをソフトバンクが買収するという記事が出た。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121001-00000041-rbb-sci

ここで「イー・アクセス」を主語にしたのは、私が以前からこの会社に注目していたからだ。というのも、イー・アクセスの株価、特にPERでは3倍程度で異常に割安に評価されていたからだ。

業績に対し割安に評価されていたのは、通信事業特有の初期投資の大きさからくる事業リスクの大きさと、設立間もない会という胡散臭さがあったのだろう。

しかし、最近は投資もだいぶ進み、十分なエリアをカバーできる程度になった。こうなると客さえひたすら増やせば、あとはキャッシュフローを回収するのみというのが通信業界の特徴である。実際にパソコンとのセット販売や店頭での販促活動によりどんどん契約を増やしてきていた。それに伴い財務状況も改善し、Net D/Eレシオも2倍前半と無理のない水準に落ち着いている。

特に、3月にLTEが始まってからの伸びは目覚しい。自分が使っているという贔屓目はあるかも知れないが、以前使っていたWiMAXと比較しても断然使いやすくなっている。

ここまで来て、イー・アクセスは「初期投資の完了」と「電波の割り当て」、「力強い契約獲得力」という通信事業に無くてはならない強みを獲得していて、株価が上がるのも時間の問題だったと思う。ソフトバンクが買った事により、その時期が早まっただけだろう。

さて、ここで最も得をしたのは誰かというと、かの世界最高の投資銀行、ゴールドマン・サックスである。GSは確認できる限り、傘下のファンドでイー・アクセス株式の30%程度を保有していた。それが一日で3倍異常に跳ね上がったのだ。当然、M&Aのアドバイザーも務め、手数料とともにリーグテーブルも上位に躍り出るだとう。

投資銀行たるもの、これくらいの動きができないといけないと思う。