用事があって福岡に行った帰りに、折角なのでジェットスターに乗ってみた。

20時30分発の便で、30分前に受付をしたのだが、「お客様が最後です。そのまま上へ上がってください」といきなり急かされてしまった。レガシーキャリアだと、30分前に行って急かされることはないので、そんなに急ぐことはないだろうと思っていたら、既に搭乗が始まっていた。

その理由はすぐに分かった。改札をくぐってから結構な道のりを歩かされ、予想どおりというか、タラップを使っての搭乗だった。この辺は徹底していると感じた。

飛行機に乗ると、中は確かに狭く、特に前後の幅がレガシーキャリアと比較すると圧迫感があり、背もたれも垂直だった。ただ、実際に乗ってみると自分の身体が小さいこともあり、特に不自由なく座ることができた。

座ってからは疲れていたせいもあって熟睡してしまい、その後のサービスの様子を見ることができなかったのだが、エアライン側のサービスについて不快なところはなく感じ、キャビンアテンダント(男の人もいる)が余計な気遣いをすることもなかったので、むしろすっきりしていたように思う。

そして無事成田空港に到着した。ターミナルまではやはりバスでの移動だった。このへんは煩わしくも感じるが、値段のことを考えると文句も言えないだろう。その点は成田空港に建設予定のLCC専用ターミナルに期待である。

総評として言えるのは、エアラインのサービス自体はシンプルだが最低限のものは備えていて、特に不都合はないと感じた。もちろん、レガシーキャリア並のサービスを求めることはできないが、航空機をただの移動手段と考えている人にとっては問題なく、「空飛ぶバス」を体現していた。

ただし、今回感じた大きなマイナスポイントは、(大きな声では言えないが)客層についてだろう。今回は時間が遅かったこともあり、到着してからの客がそわそわし始め、ターミナルビルに付いてからはなりふり構わず走っていく姿が見られた。

これからより多くの人にLCCが浸透していき、航空機の裾野が拡がるに連れて、必ずしも上品とは言いがたい客がLCCに乗ることになるだろう。気にしない人ならいいが、レガシーキャリアに乗り馴れた人は必ずしもよく感じないかもしれない。

そういうことも踏まえ、これからはエアラインに「何を求めるか」で、顧客自らが選択する時代になったのだと思う。

【結論】
・サービスはシンプルだが、特に不快に感じることはない。
・座席は圧迫感はあるが、身体の小さめの人なら十分。
・エアラインの客層の分化が今後拡がっていくだろう。