いまや日本におけるインターネット人口は1億人、世界では20億人を突破している。
それを十分に活用できるかどうかがビジネスを成功させる上での鍵となっていることは言うまでもない。

インターネットやPC、携帯電話・スマートフォンを総合してIT技術とすると、IT技術は以下のような優位性を発揮する。

1.完全再現性
IT技術、とりわけデジタルデータという点に関しては、コピーする事により完全な再現が可能となる。
文字はもちろんのこと、写真や動画、音楽などあらゆる情報について当てはまることだ。
これは、情報はもはや瞬にして拡散するということを意味し、現に世界は情報で溢れかえっている。
情報を受容するものも発信するものも情報を「持っている」ことよりも、「整理して本当に重要な情報を手に入れる」
ことが重要になることを意味する。

2.地理的な問題の解消
インターネットにより、世界中どこにいても情報を取得・発信することが可能となった。
特に情報集約型産業においてはインターネット環境さえあればどこでもビジネスが可能となったのである。
日本では高度経済成長期以降東京への一極集中が進んできたが、コスト削減や自然災害リスク等を考慮すると、
例えば本社機能を地方に移転することなどは、その気になれば容易いことであるはずだと考えている。
ただ、実際人が住んでいるという以上、なかなかラディカルには進まないという問題もある。

3.インタラクティブ性
前IT時代のマーケティングは、テレビや雑誌等のマスメディアにより一方的に発信された情報を
画一的に受容することが消費者行動につながっていた。
しかし、ITに慣れた消費者は自分の本当のニーズに基づき、商品を積極的に探すことが可能となる。
すると、これまでNo.1でないと勝てなかったものが、ニッチで勝負しても日本中あるいは世界中から
デマンドを受容できるようになり、企業として十分に競争力を発揮できるようになった。

以上の特性を考えると、特にニッチ市場を狙う小規模企業や個人にとっては無限の拡大可能性を秘めていると考える。
すばわち、たとえ地方でも自宅やオフィスにいながら情報の取得、情報の発信、日本・世界中の顧客の需要の
把握までもができるようになってしまったのだ。

ただし、ビジネスはあくまで人々の生活の下に成り立っており、ITだけでは完結しない。
最も需要なのはITとリアルを結びつけることであり、物流機能と決済(金融)機能を兼ね備えてはじめて
成功するビジネスモデルを築くことができるのである。これをいずれも兼ね備えているのがAmazonや
Yahoo!オークションであり、これらを見習ったりうまく活用することがポイントとなることは間違いないだろう。