幼稚園の時の僕は良くしゃべる明るい子供だった。今の僕も良くしゃべるが明るいかというとそういうわけではない気がする。周りから見たら今でも明るい人だと思われるだろうけどそれは、明るい人間のふりをしているだけのような気がする。でも本質的には本当の自分なんて他人から見た写像なのかもしれない。とにかく、今重要なのは幼稚園児の時の僕は良くしゃべり底抜けなく明るい性格だったということだ。

 

 当時の僕は近所の子供達と一緒に外で遊び、それと同時にKUMONに通っていた。母親は東京の全国的に有名な大学卒だったこともあり、母親は教育熱心だった。当時の僕は6歳の段階で分数計算をマスターするレベルの学力だった。おそらく一般的な神童といわれるものだったと思う。友人の親からはよく「頭いいねぇ」とほめられ僕自身も悪い気がするはずもなかった。しかし、分数計算を知っていることは頭がいいということとは違うのではないかと漠然と思っていた。それはあくまで知識を持っているというだけでいわゆる頭の回転、思考能力としての頭の良さとは違うのではないかと。あくまで知っているだけ。

 

 しかし、とにかく僕は幼稚園児の時漠然と自分が頭の良いと言われていることに疑問感じつつもそれを受け入れ(幼稚園児からすれば自分の疑問を黙殺して周りから褒められる現実を受け入れたほうが良かった)自分は頭が良い、いわゆる天才なんだと思い幼稚園を卒業した。