まず初めに多発性骨髄腫という病気について、です。
多発性骨髄腫は形質細胞という細胞が増えたもので、
増えたことで体の中に色々な悪影響を及ぼします。
形質細胞とは?
抗体を作り出す細胞です。
例えば病気にならないためにうつワクチンがありますが、
弱った/死滅したウィルスや菌(ワクチン)を体内に入れ、
そのウィルスや菌のタンパク質にくっついて退治するのが抗体の役割です。
抗体を作るお仕事をしてない時には骨髄で待機しています。
いざ、ウィルスや菌に感染したら抗体を作り、体を守ります。
頼もしく、いいやつですね。
形質細胞の病理についてはこちらの記事が興味深かったです。
それがある時突然変異が蓄積して骨髄腫細胞になると、
骨髄中で増えたり、ひどい時には血中でも増え「形質細胞性白血病」の状態になったりします。
増えたことにより
・他の血液細胞が作られる場所を奪う->貧血・免疫の低下・血小板の減少に伴う出血
・大量に増えた骨髄腫細胞から分泌される不完全な抗体タンパク(Mタンパク)が腎臓の穴を塞ぐ->腎不全
・骨髄腫細胞がRANKLという物質を分泌して破骨細胞を増やす(ほんま、なんでやねん)->骨の痛みや骨折
・骨が溶けることで血中のカルシウム濃度が上がる->意識障害など
そのほかにもさまざまな症状を引き起こします。
症状を抑え、また骨髄腫細胞を増やさない薬がたくさん開発されています。
例えば破骨細胞を増やしてしまうRANKL。
これに結合して邪魔をする抗体薬が「ランマーク」です。
夫も骨折した時に打ちました。
破骨細胞の増殖を抑え、骨の再生を促します。
いろんな研究の上に新しい薬の開発が行われていますね。
感謝です。
その他の薬についてははまた別記事でまとめます。
骨髄腫の原因について、
リスクを上げる因子として放射線・化学物質・ダイオキシン・年齢・肥満などなど挙げられていますが、
これらは一般的に「突然変異を引き起こすもの」と同意で、
現段階では「これが原因で骨髄腫になった」と言えるものはありません。
夫がRIを使った実験をしていたことがチラリと頭をよぎりましたが、
ほんの数回でしたし、当然規定内なのでそれが全てということはあり得ません。
本当に悔しいですが、一言で言えば「運が悪かった」に尽きます。
夫が最後の入院をしたときに「食べ物が原因かねぇ」と私に言い放った義母の言葉は忘れられません。
大事な息子が罹った病気のことを一ミリも調べなかったんだなと理解し、落胆したからです。
骨髄腫について解説しているページのほとんどに「原因は明らかでない」と書かれてます。