吹き抜けてゆく風が吹き抜けてゆく わたしの周りを 微動だにせず ただ佇むわたしの 存在など無視するかの如く 風が吹き抜けてゆく 吹き抜けた後 過去が積もり それは徐々に 小さな歴史となり いつか 風の故郷へ還る 梅が香り 桜が舞い 緑は薫り 潮はべたつき 風が運ぶ匂いは 一枚一枚 過去となって積もってゆく 時に静かに 時に激しく 歌うように 踊るように ただ佇む私の周りを 今夜も風が 吹き抜けてゆく わたし以外の すべてを揺らして