あなたへの愛をあらわすのに
言葉だけでは、全然足りなくて
あなたを愛するのに
この身体ひとつでは、全然たりなくて
灯りを落とした部屋
微かに浮かび上がる
白く美しい肌
石鹸の香り
月の魔法で
ぼくは二人に分身し
愛の準備は
すべて整う
ひとりのぼくは
あなたのくちびるを
熱く甘く塞ぎ
もうひとりのぼくは
あなたの、もうひとつのくちへ
淫靡に吸い付く
四本の腕が
あなたに絡みつき
うなじ、背中、胸、太腿
全身を絶え間なくまさぐり
切ない刺激を与える
くちびるを塞いだ
ぼくが囁く
こんなに濡れてる
すごくやらしいよ
あなたは、声も出せず
切なく身悶え
すると
もうひとりのぼくも囁く
もっと溢れさせていいよ
ぜんぶ、吸い付くしてあげる
官能と羞恥が交錯し
意識が、少しずつ白い光に包まれ
うねりが高まる頃合いに
ふたりのぼくは
同時に、あなたに侵入する
浅く、深く
優しく、激しく
ぼくを、とらえようとする
くりびるや、舌や、ひだを掻き分け
本能と欲望と愛情のおもむくまま
あなたを犯し続ける
やがて
おたがいの感度がシンクロし
極限まで、昇りつめた官能
痛みすら感じる恍惚
ぼくは、あなたにまみれ
あなたは、ぼくにまみれ
灯りを落とした部屋
微かな、
石鹸の香りと、愛の残滓
とろけて
ひとつに混ざり合ったふたりは
次の朝がくるまで
深い眠りにつく