2014年1月11日(土)天気稜線は超強風 平地は

天気図を読み間違えた。今年一番の寒気が入っていたが土曜日には徐々に高気圧に覆われて

晴れると考えていた。等圧線は広めに縦であったので多少風は残ると考えていたが甘かった。

寒気が入っていれば天気図に関係なく風は強いのだ。

撤退場所を決められなくかなり突っ込んでしまい、稜線では完全にホワイトアウト状態で1m先

も見えずに、自分のトレースも消えた超急斜面を目印もなく下る羽目になってしまった。

行程

美濃戸口(6時47分)→美濃戸→赤岳鉱泉(9時9分)→行者小屋(9時54分)

地蔵の頭(11時14分)→赤岳展望荘(11時30分 12時30分出発)→行者小屋(13時38分)

美濃戸(14時57分)→美濃戸口(15時28分)

距離17km 総移動時間8時間41分(休憩時間含む) 累積標高1331m



美濃戸口の八ヶ岳山荘の駐車場に6時30分に到着するとすでに7割は車で埋まっていた。

冬用装備の準備を整えて出発した。歩き始めは-10℃くらいか、寒さは今のところ感じない。

林道歩きは凍結転倒に備えてチェーンスパイクを装着した。

しかし雪が締まっていて凍結箇所はなく全く問題はなかった。きゅきゅと小気味いい音が

足元から聞こえてくる。スピードアップの為の道具となった。乗用車タイプの車も林道を入ってくる。

美濃戸で写真を撮ろうとiphoneを出してみると寒さで既にダウンしていた。-5℃位はいけるが

-10℃は無理かもしれない。写真とログはあきらめて予備電源を接続して赤岳鉱泉を目指した。



すれ違うハイカーはキャンプ道具一式とロープを持った集団が目立った。テント泊してバリエーション

ルートか、大型ザックがパンパンで重たそうだ。

アイスキャンディー到着時にお腹で温めていたiphonを確認するとバッテリーが回復していた。

切れる前に記録写真を撮っておこう。ここで大好きなメロンパンを一つ食べた。-10℃でも

メロンパンは美味しかった。行者小屋までも穏やかな道程だった。



行者小屋でセオリー通りに12本アイゼンとピッケルに装備を変更した。今日は絶対にグローブを

外さない。数分で凍傷の原因になる。少し時間が掛かったがダブルグローブのままアイゼン

装着ができた。バラクラバをつけてるハイカーもいる。ピッケルは少し早かったかなと感じたが

徐々に勾配が上がってきた。セオリー通りで間違いはないようだ。アイゼン装着で先行された

ハイカーの動きを参考にしようと思ったが、先に行ってくれとのことで5名くらい追い越し先頭

に立たされてしまう。階段を超えると真っ白でトレースは無く目印を失った。ピッケルの使い方も

まだまだ練習不足だ。昨日の雪で膝くらいまで足が埋まる。前爪を打ち込む。ピッケルの石突

を斜面に刺す。安定していたら体を動かす。繰り返し登って行ったが何も見えなくなりどの方向

に登ればいいのかも分からなくなってきた。ここで危険だと考えてここで撤退することにした。

山を向いた姿勢のまま少しずつ下りて行ったら追い抜いたハイカー達が眼下に見えてきた。

その瞬間頭上を確認するとガスが一瞬取れて右手に赤岳展望荘が見えた。

すると安心したのか、自然に又上へと登り始めてしまった。


行者小屋も赤岳鉱泉も確認できない。慎重に右足を小さく前に出して前爪で斜面を捉えて体重を

掛けたら脹脛が攣ってしまいそのまま斜面に張り付いた。ずっと爪先歩きだったので攣るのも

仕方がないが場所が悪すぎる。1~2分後恐る恐る足を出してみると痛みは出ず何とか歩けそうだ。

地蔵の頭に到着した。すごい強風で粉雪が顔に当たって痛い。しかしレイアリングが上手くいっ

たのか、体全体はまだ温まっていてそれ程寒さは感じなかった。しかし顔の凍傷が心配になり

岩の陰でゴーグルとバラクラバを装着した。赤岳展望荘は全く確認できない。



どこかで吹雪を凌げないかと考えて小屋に近づいたら人が出入りしているではないか。

迷わず小屋で休憩することにした。実は赤岳展望荘が営業をしていることをチャックしていなかった。

時計を見ると11時30分だ。かなり時間が過ぎている。食欲はある。まずは腹ごしらえをしよう。


定番はカレーライスだと思うがカレーうどんを注文した。濃いスープで体が温まり残ったスープ

で又メロンパンを食べた。iphoneを確認すとなんと電波が届いる。ウェザーニュースで現在地

の天候を確認すとになっていた。ハイカーが風速は15mから20mあるなと言っていた。

強風が収まるのならいくらでも待ってよかったが、私の予想では一日中吹いていそうだ。

赤岳登頂はもうすでに諦めている。携帯も繋がるしここに泊まって明日帰るのがベストだろう。

しかし明日は仕事がある。仕事よりも安全が第一であるが。熟慮の結果また地蔵尾根を下る

ことにした。



赤岳頂上はもちろん見えない。吹雪が先ほどより強くなり地蔵の頭方向も全く確認出来なくなった。

地蔵の頭から正しい尾根をカンで確認して下り始めた。雪が深く足が安定しない。バラクラバで

息が非常に苦しくなりゴーグルも曇って前が見えない。一度外したらダメなのかもしれない。

息が上がっているのはかなりの恐怖を感じているからだ。谷を向いたり山を向いたり四つん這い

になりながら、絶対滑落しないようにピッケルを刺して足場を固めて少しづつ下った。

しかし方向が正しいかどうかわからない。立ち止まりゴーグルを外して次の方向を探す。

すると登りの時あった小さな赤い旗をは発見した。その後も又旗があり鎖と梯子も発見した。

後は滑落遭難に最大限注意するだけだ。



下の階段まで来ると大分落ち着いてきた。登ってくるハイカーに稜線の状況を伝えると行けるところまで

行ってみるとの返事だった。



樹林帯までくれば強風は嘘のように吹いていない。行者小屋で12本アイゼンを外してピッケル

をしまい、行きと同じようにチェーンスパイクとストックを準備した。



平和な道が続いた。相変わらず大型ザックのグループが多い。赤岳山頂はまだ雲のなかだ。

雪質が良いのでチェーンスパイクなど必要ないがストックを使っている為にスキーのように

グリセードができた。



美濃戸の山小屋でアイスクリームが目に入ったが我慢して美濃口を目指した。

八ヶ岳山荘で駐車料金500円を支払いステッカーの領収書をもらった。

冬用の登山道具は細部までよく考えて作られている。良い道具を揃えて使いこなしても

天候が荒れればどうにもならない。無理はせずに安全登山を楽しもう。