昨年、雲取山と甲武信ヶ岳の山行で田部重冶氏のレリーフを見ました。
《2011年9月24日雲取山荘付近にて》 《2011年10月20日西沢渓谷付近にて》
全く存じ上げない名前でした。アルプスと言う名称を使うことに抵抗があること、奥秩父の山々の緑と
渓谷美を紹介したとネットに書いてありました。特に奥秩父がお気に入りだったということがきっかけで
「山と渓谷」を手にとって見ました。
長距離を歩くには草鞋が最高であると書いてありました。山行では何足も持っていくようです。
長年使っているので慣れだとは思いますが現代人はまねが出来ません。天幕を持って水を汲んで
飯を炊いています。おかずは何だったのでしょうか。相棒の小暮理太郎君との山行記になります。
後半は山に対する哲学的な文書が書いてあります。情景が目に浮かぶ前半の山行記の方が
おもしろいです。地形図も無い時代ですので道案内を雇っての登山です。
映画「剣岳点の記」で香川照之が演じた長次郎さんも出てきます。里近い山を歩かせるととんでもない
方向に道を間違えたりするが、彼でなくてはならぬところに来ると真価を発揮したようです。
「山は如何にして私に影響しつつあるか」の随筆の中で山に登るということの3ヶ条があるので
探してみてください。
今は山に登るスタイルも多種多様です。前人未到の山などたぶんないと思います。
奥秩父の山に登れば、田部氏が見た景色を堪能することが出来ます。
なんて素晴らしい事でしょう。