日本は四季がハッキリしている、

四季の移り変わりがある、
ということがよく言われます。
 
たしかに、その通りだとは
思うのですが、ものの本によれば
最初はやはり春の到来、
秋の収穫期の到来の意識が
高かったと言います。
 
それが、暦が導入され、
季節や時に対する意識も
教育されるようになりました。
 
百人一首にも採択されている
有名な句ですが、
持統天皇が
 
 春過ぎて 夏来るらし 
 白妙の衣干すてふ 天の香具山
 
(来にけらし、とも)
と歌ったとき、そこには
夏の到来にも目を向けてほしい、
というメッセージがあった
ということです。
 
こうした文芸活動により、
日本ではより季節の意識が
明確になっていったということですね。
 
ただ、感じていたというより
そういう風に文化が「形成された」
と、言えるのではないかと。
 
いまやクリスマス過ぎたら
正月と、ますます細かく
季節感に追われ大変な
私たちです✨
 
 
参考文献:
多田一臣『万葉集ハンドブック』
(1999、 三省堂)