コロナ自粛中の、5月頃だったでしょうか。

Facebook上で「ブックカバーチャレンジ」

というのが回っていて、

私の友だちの間でも

盛んに行われていました。

 

私も2巡してしまいました(^^;)

やってみて分かったのは、

私はコンスタントに本を消費している

タイプなので、案外「この一冊!」

というのがない、ということ。

 

本に関しては、博愛主義?

なのかもしれません。

ある時期、ハマる本や著者がいたとしても、

しばらく経つと次へ行ってしまう、

というカンジです。

 

さて、私の同級生の一人が

米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』

(角川文庫)を挙げていて、異文化モノらしいし、

そのうち読んでみようと思っていたのを、

買いました。

 

読んでみてちょっと、

「へぇ~、彼女はこういうの好きなんだ」と

思うところも。が、私も同じ印象を

友だちに与えたかもしれません・・・

 

さて、肝心の内容ですが・・・

米原さんは(すでに他界されていますが)

筋金入りの共産党員の娘さんで、

お父さんがプラハに赴任になりました。

そこで通った「ソビエト学校」での体験、

友人たちとの交流、そして

大人になってその友人たちに

再会したときのことが書かれています。

 

異文化あるあるのあれこれも面白いものの、

やはり東欧圏(彼女によると、本当は

「中欧」なのだそうですが)の学校や教育の

物珍しさ、さまざまな文化出身の

彼女の級友たちの個性が光ります。

 

しかし、全体を読んで思ったのは

やはり政治・思想色の濃さ。

共産主義というベースがあるから

仕方ないのかもしれません。

 

が、私など、中高時代は

政治などいっさい関係なく、無頓着だったのが、

ソビエトの体制の変化、プラハの春などの

影響(それよりは以前ですが)、

なにより著者がティーンエイジャーにして

『プラウダ』(ソ連共産党の機関紙)と

『赤旗』(日本共産党の機関紙)を読み比べてみたりと、

私からは考えられないというか、

やはり環境だったのでしょう。

 

友だちとは思春期らしいあれこれの

感受性ややり取りがあるのに、

そこに政治的配慮や理想も持ち込まれたり・・・

 

政治を知ること、関わることが悪いとは言いませんが、

やはり思春期前半(~15くらい?)までは

守られた環境の方がいいのでは、

とあらためて思ってしまいました。

 

教育の現場にあまり政治や

政治的不安定さが入ってくると、

安心して学んだり成長したりすることが

難しくなります。

 

とは言え、国や政治で本当に

起こっていることを知らされないまま、

というのも問題なのかもしれません。

難しいバランスです。

 

タイトルに「政治に翻弄された」

と書きましたが、本当に翻弄されたのは

彼女のクラスメイトたちだったのかも

しれません。

 

また、こうした政治色の濃さは

彼女の育ちもですが、

ロシア語会議通訳というお仕事を

されていたせいもあるのかもしれません。