青空哲学教室(open-air philosophy class)

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電脳時代の、エモーショナル・インテリジェンス・ネットワーク。

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「兵庫のこどもたちを守ろう」に寄せて


前回の記事によせて、Iさん(女性)からお便りを頂きましたのでご紹介します。





 「即物的に目に見えない」ということがこれほど全く恐ろしいほどの威力を持つものかと、ひしひし感じます。いわば視覚中心主義の裏返し? 見えないところに、我々の「不安感を持ち続けるストレスに対する防衛反応」とでもいえるものが加わって、見事に「喉元過ぎれば・・・」状態です。我々は近代の視覚中心主義を批判してきましたが、そうした態度を自嘲してしまいそうです(まあこれは質が異なる話ですが)。
 ですので「目に見えるようにする=意識へと上らせる」ことが必要だと感じます。それもー誤解を恐れずに言えばーストレス軽く、敷居低く、そしておしゃれに「見る努力を共有すること」がポイントですね。どうアクションを起こしていけるか漠然としか考えておれずにいましたが、浜岡原発30km圏内に定住することになった私が何をしてるんやと反省&覚醒しております。





 今、「アートセラピーの全国実態調査」を進めており、対象者を抽出しています(ちなみに市だけで780あるので、なかなか気が遠くなる作業です)。作業中に気づいたこととして、「親子のためのアートセラピー」が最近増えてきています。そういうものを活動の一部に取り入れたりしている市民団体――だいたいのその担い手が「ママ」なわけですが――のなかに、災害復興支援について、放射能について、原発について勉強しようとされているグループを見つけました。やはり原発に近い地域(舞鶴)の方々ですが、「反原発団体」というのでもなく、とにかく知らないといけないことを知ろう、自分の身はできる部分は自分で守ろう、というスタンスです。その活動の中心者がアートセラピストらしく、せっかくならば彼女に会って、その活動のプロセスや経験もお聞きしたいなと思ったりしているところです。



 また、いくつか資料も取り寄せ、今は、被災時・避難生活時・復興時、やはり男性主導で、女性たちの声が届かない、被害に男女格差があるという報告を読んでいます。こうしたフィールドワークや研究は、阪神淡路大震災、また中越沖地震のときにはあまりなかったのではないかと思います。時代が進んだこともありますが、首都圏に被害が及んだ東日本大震災ゆえ動く人も多いのでしょう。それはともかく、現実として女性が頑張らねばならない状況だと思います。
 自分の住む地域では、もちろん地震対策は他地域より熱心ですが、原発そのものについて、原発事故が起きたときや、原発による放射能汚染被害について、はのほほんとしたものに見えます。私が知らないだけかもしれませんが・・・。こんな暢気なことでまだ手探りしているところですが、本格始動したいと思っています。 



以上、Iさんからのお便りでした。





2013.3.25 青空哲学教室