2015年を振り返る ③ お次はトート編

あくまでも個人的な意見です、ご了承下さいm(u_u)m


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東宝ミュージカル『エリザベート』新演出における、もう1人の主役

黄泉の帝王…トート閣下です。


幼き日のエリザベートは木から落ちて亡くなりそうになったが

一命を取り留めた。

それは迎えにきた死神:トートがエリザベートを愛してしまい

本当に 死にたい=死を受け入れる まで生かしてみようと

黄泉の世界から人間界に戻したから。


このトートの存在を位置づけるために

日本版エリザベートでは「愛と死の輪舞」という場面が作られました。


でも、たぶん本来、トートという存在は

臨死体験をしたエリザベートに つきまとう死の影

その情緒不安定な心の闇から生まれた象徴的姿が トート

トートとはエリザベートの内面を具現化した姿なのだと思います。


だから「それでも私は命委ねる、私だけにーー」「俺だけにーーー」

と、東宝版のラストで2人が交わるのは究極の自己愛なのだと

今回の東宝版新演出を見て思いました。

(あくまでも私の解釈で間違っているかもしれませんが…)


そんなトート閣下を演じたのは、、、

井上芳雄さんと城田優さん


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井上芳雄トート閣下の感想は…エリザベートを愛してしまった死神

黄泉の世界の住人です。

エリザベートを愛し、愛されること=死を求めてほしいと付きまとい

煽り、追い詰める存在

エリザベートとトート、それぞれが単体で存在している。


世界中のトートを研究してきたのではないかと思えるようなマニア感

そして、すごく手の動き等が宝塚の男役っぽいトートだと思いました。

ガッツリ存在して体内は青い血がみなぎる死神。


花總さんと井上くんは、至高のトップコンビ

息がぴったりで、とても心地よいコンビネーションでした。

全力で向き合い ぶつかり合い炸裂するパワー

とにかく井上くんがイキイキと楽しそうに見えました。


蘭乃さんと井上くんは、人生を操る死神とエリザベートの攻防戦

蘭乃さんのエリザベートを全力で受け止め

そして、トートとして魅せるところは しっかり締める

熱さとクールさが伴った黄泉の帝王でした。


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城田優トート閣下の感想は…黄泉の帝王であり、エリザベート自身

とにかくビジュアルが最強でした。人外感が半端ない。

まさしく黄泉の帝王。

また幻想的でエリザベートが求めた「死」そのものに見えました。

相手の特徴を見出し寄り添うのが上手い人だと思いました。


花總さんと城田くんは、エリザベートが求めた「死」であり、表裏一体

エリザベートの内面を具現化したような存在でした。

エリザベートの心を見透かしたように あざ笑い、煽る

すまし顔の花總エリザの表情にエゴイストの本性を引き出し、崩す

そのバトルが毎回スリリングでした。


蘭乃さんと城田くんは、エリザベートの人生の先導者

つねに蘭乃エリザベートの人生に寄り添い、煽り、操る存在で

懸命に生きる姿を見守り、生き抜いた時に迎えに来る

「死」でもあり「安らぎ」の化身にも見えました。


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以前よりもトートの動きが増えて、踊ったりしています。

ビジュアルも素敵で、それだけでも満足できますが

私の印象では、トートが現れる唐突感がやわらぎ

エリザベートの人生に出現しても違和感がなくなった事が大きい。


物語の冒頭でトートが「ただ1つの過ちは皇后への愛だ」というのが

しっくり感じる事が出来ました。


エリザベートはトートに惹かれ、でも拒む

でも、それはラブストーリーではなくて

自分自身との闘いだと感じました。

ラストは死を受け入れ、エリザベートはトートの元からも旅立った。

だから本当に永遠に自由になったんだな~と思いました。