1月4日(月)から、『一日二食』を始めました。
食事は昼食と夕食の2回です。
午前中は空腹のままで活動し、昼食は軽い目にとって、夕食をたっぷり食べて、食後はゆっくり休むようにします。
夜間に消化・吸収して体に栄養分を蓄え、蓄えた栄養分をエネルギーにして日中の活動をする体の使い方です。
夕食後、翌日の昼食までの約16時間はモノを食べません。しかし、水分はしっかりと取り、水以外にお茶かブラックコーヒーだけです。
多くの方がそうだと思うのですが、三度の食事が当たり前。私もこれまで、朝食抜きはよほどのことがない限りありませんでした。
では、何故『一日二食』を始めたのかというと・・・。
「オートファジー」をご存じでしょうか。
これは空腹で得られる最大のメリットではないかと思うのです。
大隅良典氏が「オートファジー」の研究でノーベル賞を受賞されたことで知られています。
ギリシャ語でオートは「自分」、ファジーは「食べる」という意味。 体の古くなったたんぱく質を分解、再利用して新しい細胞に作り替える仕組みです。
体の不要物、老廃物を掃除してくれる、
細胞や組織の働きが活性化し、若々しい体を作る、
体内に侵入した病原菌を分解し、きれいにしてくれる、
等々のメリットがあるそうです。
ただし、オートファジーが活発になるための条件があって、
最後にモノを食べてから16時間以上経過しなければ活発にならない
のだそうです。
『一日二食』でオートファジーを活性化させることができることになります。
私の体にどんな変化がおきるのだろうか。
好奇心に駆られて、やってみることにしました。
ほんの少しの体験と数冊の本で勉強したことをもとに、予想できる疑問に答える形で、Q&Aにまとめてみました。
Q 朝食を抜くと、空腹が気になって活動できないのではないか?
いきなり朝食を抜くと、お腹が減ってフラフラします。
朝食を抜くまでに助走の期間を作って、習慣にしていきました。
まず、朝食の御飯量を約半分にし、次に味噌汁と納豆だけにし、朝食ナシに近づけます。
また、途中から土曜日だけ、朝食を抜くことも始めました。
そろそろ、朝食を抜いても大丈夫と思える頃があります。空腹感はそんなに気にならなくなりました。
Q 『一日二食』を始めたのは何故?
きっかけとなったのがこの本でした。
「空腹こそ最強のクスリ」青木厚著 2019.2
著者の青木医師は、平日は『二食(昼と夜)』で、週末は『一食(夜)』だそうです。
著書の中で、
「日に三度の食事は食べすぎになりやすく、胃腸の休まる時間がない。これが体調を崩す主な理由だ」
と主張されています。
我々は食べ物を食べたら終わりですが、消化器官は、その後消化・吸収の仕事が待っています。夜の間ずっと働き続け、やっとそれが終わるのは翌日の朝です。
朝食を摂ると、もう24時間働きっぱなしです。
『一日二食』は、夕食から翌日の正午までの約16時間は、固形物は食べません。
消化器官を休憩させる時間帯を作ることができます。
この時間帯というのは、体の老廃物を処理する時間とほぼ重なります。
血液は、体中を巡っていらないものを集めて回り、腎臓で処理をして老廃物を外に出します。
腸に溜まった食べ粕は、便となって排泄されます。
栄養を取り入れることと同じぐらい、いらないものを外に出すことは大切な働きです。
朝食を抜くことで、体は排泄処理活動に全集中できるわけです。
Q 『一日二食』を始めて、変化はあったのか?
1月4日から開始。いきなり5日と6日にお通じがどっさり。その後、通常に戻りました。
腸を元気にし、たまった宿便を一掃するということを知識で知っていたのですが、これが「宿便」だったのかどうかは分かりません。
慣れると空腹感は、ほとんどありません。午前中、頭はすっきりしています。血液を胃腸に送る必要はなく、その分脳や筋肉に送られますから。
Q お腹が減って、活動できないのではないか?
「空腹感=エネルギー不足」ではありません。
空腹感と血糖値は連動しています。
血糖値とは、血液中のブドウ糖の量のことです。
血糖値が下がると、お腹が減ったと感じます。
さて、食事をすると血糖値が上ります。
血糖値は、その後一旦下がりますが、また上がります。
なぜか。
体はすぐに血液中のブドウ糖を取り込んで脂肪としてため込もうとします。
すると、血液中のブドウ糖量が減り血糖値が下がるので、また空腹感が起きます。
しかし、エネルギーは一番足りているときなのです。
我慢すれば蓄えた脂肪が再びブドウ糖になって血液中に戻ってきます。
すると、血糖値も戻って空腹感も解消されます。
これが上がり下がりの原因なのです。
Q 朝食を抜くと、午前中の活動のエネルギー不足にならないの?
人が活動するためのエネルギーを得る方法は二種類あります。
一つは食べ物のなかの炭水化物から得る方法です。
食べ物に含まれる炭水化物が消化されブドウ糖に変わります。
ブドウ糖は血液に取り込まれて全身の細胞に届けられます。これが活動のエネルギー源となります。
食べたらすぐにエネルギーに変わるので、即効性があります。
この食べ物から得る方法を、ここではエネルギー源①とします。
もう一つは、体内の脂肪からエネルギーを得る方法です。
食事で摂り込んだブドウ糖は、一旦脂肪に変えて脂肪細胞に蓄えられます。
体は、長い時間食べ物が得られないときは、体内の脂肪をブドウ糖に変えてエネルギーを作ります。
ここでは、エネルギー源②とします。
日本だけでなく、世界を見ても、もともと一日二食の時代が長かったのです。
もっと昔、狩猟生活のころは、獲物が取れるまで食事にはありつけませんでした。
二食どころか、何日も食べずに狩りに出かけることもありました。
いつでも食べたいときに食べられるのは、長い歴史の中でつい最近のことです。
そのためなのか、人の体は、空腹とか飢餓を前提にしてつくられています。
炭水化物を摂取し、消化してブドウ糖に変えます。ブドウ糖のままで蓄えると、1グラム4キロカロリーのエネルギーです。エネルギー源①です。
しかし、ブドウ糖を脂肪に変えて蓄えると、1グラム9キロカロリーのエネルギーが得られます。エネルギー源②です。
脂肪なら同じ量で倍のエネルギーが得られるのです。
一週間ほどは水だけでも十分活動できるようです。
じっとしているだけなら、3か月は生き続けることも可能だといいます。
エネルギー源②は誰でも使うことができるのですが、問題はそれを使う能力です。
繰り返しになりますが、脂肪をエネルギーとして使うときというのは、ある程度空腹に耐えて活動する必要があります。
血糖値が下がって空腹感を覚えるたびに食べると、脂肪が使われにくい体になります。
空腹を乗り越えると、脂肪をエネルギーとして使う道筋が出来て、空腹を感じなくなる体に変えることができるのです。