昔、向かいの家におばあさんが引っ越して来られ、
家内がときどきおかずなどを持って行ったり、
うちの息子と娘が上がり込んで駄菓子をもらったりしていた。
若いころの写真を見せてくれたが、
すごい美人だった。
あるとき1人の韓国人の男がその家に転がり込んできた。
これは韓国のモデルさん↓
男が来てすぐ、おばあさんはいなくなった、逃げたのだ。
古屋には、その男が住み始めた。
時々、話し相手になってやったが、
まるで、人生劇場の飛車角の話のようだと思った。
もう女を追いかける金も気力もなさそうだった。
あるとき入れ歯作りの道具一式をくれた。
歯科技工士をしながら日本中を回っていたらしかった。
「もういらないからもらってほしい」と言った。
何日かたって男の家をのぞいたら、玄関先に倒れていた。
這って来たままの姿で。
すぐ医者を呼んでやったがダメだった。
韓国の村↓
町内で集まって、坊さんを呼んで、一応の葬式をしてやった。
坊さんが、嫌そうにお経をあげているのが印象的だった。
その古屋は誰も住まず屋根に穴があいた。
自分で修理して友だちなどが来た時に泊まらせてやろうと思って
手に入れることにした。
<今日の運勢>
「井」。さらえたれども食われず・・井戸をきれいにしたけれど誰も飲んでくれない。そんなことがあっても頑張ろう。