この古書をふと手に取った。

 

著者は清水幾太郎。

昭和12年3月に出版され、昭和37年7月に再出版。

今では著作集の中にしかこの論文はなさそうだが、私が持っているのは単行本。

 

・・固より何れも頗る稚拙のものであるが、

当時急速に勢力を得てきたファシズムに対する、

私としては主観的にも客観的にも精一杯の、

少し大袈裟に言えば、

限界に立っての抗議であり、告白であった。・・

 

と、新版の序に書いている。

 

今になっては、

彼も時勢に流されたことがあったのだと、

客観的に読めるが、

彼のベストセラー「論文の書き方」を読んだ当時は、

すごい人だ、

と見上げて読んだものだった。

 

 

・・人間は強くなるべきであり、

また強くなることが出来るものでなければならぬ。

人間が自己を強めることなくして

仰々社會と文化とに於ける眞の發展及至進歩は

如何にして成就されるであらうか。

否自己を強めることなくして人間は

何に依って自己を幸福ならしめることが

出来るであらうか。・・

 

これも「序」からの引用である。

「がんばろう。がんばろう。」

と言っているのだ。

その通りに、日本人は頑張って、

ここまで来たが、

未だに十分とは言えない気がする。

 

彼のように悩み、反省しながら、

頑張るしかない。

 

https://www.youtube.com/watch?v=4jY1hIw4cJQ

夜、思いにふけりながら聴く。

 

<今の運勢>

「風沢中孚(ちゅうふ)」。真心があればだいじょうぶ。意外な喜びがある。