耶律楚材(やりつそざい)のことである。

彼が書いた詩がある。

 

征西の軍旅 いまだ家に還(かえ)らず

六月 攻城 汗が沙(すな)にしたたる

みずから恥ず 不才にしてまた幸いあることを

午風涼しきところで 新瓜を割く

 

中国のウイグル族の地域はこのような瓜の産地である。

 

耶律楚材は契丹の宰相の子で、漢人の母親に厳しく育てられ、

漢詩を学び、天文、卜占に通じていた。

契丹が金に滅ぼされたので、金の官僚になったが

モンゴル軍が侵攻してきて、今の北京で捕虜になった。

 

最初は中国語担当の書記官として、チンギス・カンに仕え、

恐れずに進言をして、

やがて宰相になり。

逆らえば殺すというモンゴル人の単純な考えを正し、

多くの国を救った。

 

この詩は、中央アジア遠征のときのものである。

 

西への行軍が続くのでしばらくは故郷に戻れそうもない。

真夏の城攻め、砂上に汗が落ちる。

自分のような者が、恥ずかしくも運がいいだけで生きている。

涼しい木陰で、このようにまくわ瓜を割って食べることが、本当の幸せなのだが。

 

ちょっと、訳し過ぎかも知れない。

 

新疆ウイグル自治区に行けば今ごろはどこでも売っている。

あらゆる果物がある。

キウイまである。

 

<今の運勢>

「訟(しょう)」。意見の違いを公に訴えること。できれば争いは避けるほうが良い。無駄かどうか天秤にかけて五分五分だったらやめたほうが良い。個人的な争いでは不機嫌な態度を見せるのは良いが、目にもの見せるのはやりすぎになる。穏やかな話し合いは有効。