顔にシミが出たとき、

ガンなら大変だと

市立病院の皮膚科に行って

診てもらったことがある。

 

 

まあ、私の臆病な性格に、

好奇心が手伝って、

バイクで出掛けたわけだ。

 

皮膚科は

毎日あるわけでなく、

週三回ほど、

愛媛大学から

非常勤の医者が

来ることになっている。

 

 

若い医者だった。

大丈夫、と言われたのに、

食い下がって、

広がる可能性が多少ともあるなら、

完全に取ったほうが良くないか、

超音波という手もあるのではないか、

などと、うまく話をつないだ。

 

いい人で、

ためらいながら、

それなら、

超低温で試してみましょうか、

と言ってくれた。

 

しめた、

試そう、試そう!

 

彼は液体窒素を持ってきて

ちょこちょこと

つけてくれた。

 

 

数日後の、

彼の診察日に、また出かけた。

 

彼が絆創膏を取ってくれた。

すると、

完全に取れているではないか。

シミは跡形もなく、

きれいな皮膚になっていた。

 

二人で喜んで、

私は調子に乗って、

これも取って、これも取って、

と言ったら、

それくらいはいいでしょう、

と言われた。

 

うん、それくらいはいい。

 

晴れ晴れとして戻って来た日だった。

 

<今の運勢>

「小蓄」。なかなか思うようにならなくても我慢して進む。いつかは良くなると信じて間違いない。