糸魚川大火の火元は中華料理屋だとか。

店の人が帰った後の出火らしい。

 

 

実は、私の弟もトンカツ屋をやっていて火を出した。

ボロイ店だったが、安くて味が良くて

葛飾区で人気10位以内にあと一息のところだった。

 

どうも同じ原因ではないだろうか。

油が入った鍋の火を消さずに帰った。

 

消防署の係官が、

焼けただれたガスコンロのコックを指さして、

「これを閉めなかったのが原因ですね」

と、言ったそうだ。

 

夜中に油温が発火点に達して、

油なので、あっというまに火が回ったのだ。

 

実は、私の母も天ぷらを揚げていて、失敗した。

私がちょうど帰省していたときで、

隣の茶の間にいた。

 

何だか台所が異様に明るいな、

と思って立ち上がってのぞきに行った。

すると、天ぷらなべから炎が上がって、

天井に届いているではないか。

母は、その前でじっとしている。

 

私はとっさに、そばにあった大皿を数枚取って、油の中に入れた。

皿なら燃えないからである。

それで油温が下がって、消えた。

 

なぜ、消そうとしなかったのか、と、母に聞いたら、

落ちつけ落ち着け、どうしたらいいか落ち着いて考えようとしていたのだそうだ。

こんなときに落ち着いてどうする。

火の元の温度を下げればいい。

鍋の蓋でもなんでも、水気のない燃えない物を入れればいいのだ。

 

私はすぐに、小さい消火器を2つほど買ってきた。

いざというとき、まずこれを使って、消えなければ、119番するのだ、

と、口を酸っぱくして、教えておいた。

 

 

さて、弟の店の火事は夜中に起った。

本人は自宅に帰ったが、二階に、甥っこが寝ていた。

なんとか火事に気付いて、窓から脱出することができた。

窓の手すりが折れて、

下に落ちて骨折したが、2か月の入院で治った。

かわいそうなのは、かわいがっていた猫。

焼け死んだ。

 

弟は酒好きである。

店が終わったあと、店の酒を一杯やりながら、片づけをする。

酔っていて、火を消すのを忘れたのだ。

 

店の出口に「火の用心」を書いた札を貼っておけばよかったのに。

そうすれば、帰るときにもう一度火元を調べただろう。

外の元栓を切る習慣はなかったのか。

情けないやつだと思う。

 

幸いなことに、隣に延焼しなかった。

店をたたむことになったけれど、それは仕方がない。

 

今、うちには、大きい消火器を2つ置いている。

この際、もっと小さいのも2つほど買っておこうかと思う。

 

私たちの町も火災が多い。

年末は特に多い。

みなさんもくれぐれも用心していただきたい。

 

<今の運勢>

何事も早め早めに。すべきことをやってしまえばあとはだいじょうぶ。