昔、祖母が、医者に嫁入っていた従妹の肝臓病をお灸で治した。
丹下(おへその下)指一本ぶん離れた左右を指で押してみて、一番効きそうだと思う場所2箇所に墨で印をつけて、そこへお灸をすえた。
そのことを、私は覚えていて、肝臓病がなかなか治らない中年の女性に請われて、1度だけそのお灸を下ろしてあげたことがある。
裸になってもらわなければならないので(祖母は2本の糸を使って厳密に測っていた)、困ったが、人助けだと考えて、下ろしてあげた。
よく効いたと報告があって、民間療法は捨てたものではないと思い、戦前の日本政府が編纂した赤本をネットで購入したこともある。
もちろん、現代医学のほうが信頼できるのだが、うまく治療できない部分を埋めるために、漢方や民間療法もためしてみるのもいいかも知れない。

これもお灸。最近は皮ふに火傷の痕が残らないように台を置いてすることもあるようだ。この先に火のついた線香で火をつける。

実は、私には手首の内側に小さいほくろがあった。
それが中年を過ぎたあたりからずいぶん大きくなってきた。
ほくろのガンであるメラノーマは悪性が高く、治療が難しいと聞いていたので心配になった。
しかし形成外科で取ってもらうほどではない。

そこで、考えた。
自分で、お灸で取れないかと思ったのだ。
有機物は熱で炭化する。
現代医学でもレーザー光線で腫瘍を焼く方法があるではないか。

やってみた。
昔風に墨を擦って、そのほくろにつけてから、小さいもぐさから初めて20ほどすえてみた
そしてカットバンで保護しておいた。
数日続けると、ほくろは無くなってしまった。
そう、今では火傷の痕さえもない。

私たちの町にも見上げれば電線がいっぱい。

私は、自分の顔にできた、少し盛り上がった黒いしみも取れるのではないかと思った。
しかし、顔の失敗は嫌である。
市立病院の皮膚科を訪れて、愛大から来られた若い医者に相談した。
すると、液体窒素でやってみましょうと言ってくれた。
なるほど、低温でも細胞を破壊できる。
ちょっ、ちょっ、と、2・3度つけて治療は終わり。
3回ほど通ったら、完ぺきに取れた。
医者もたいそう喜んでくれた。

図に乗った私は、残りの顔のしみもぜんぶやってほしいと言った。
医者は、盛り上がりのないしみはやめましょう、と言った。
医学の実験台として、と食い下がったけれど、年にしてはきれいな肌ですよ、と断られてしまった。
それはそうだろう。
こちらは好奇心いっぱいでも、医者には責任があるから。

<近日中の運勢>
最初は楽しいけれど、最後に決定しなければならないときが来る。地力を残して、勝たなくて良いから負けない形にすればよい。不思議なことに、守勢のまま頑張っていれば、いつの間にか相手の力が弱まる。

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