昔の話だが、私たちは12月の14日に新婚旅行に出発した。
結婚してから2カ月がたっていた。
大雪の日で故郷は数センチ積もっていた。
余裕を持って出発したのが正解だった。
途中でますます雪が深くなってとうとう前方の車の列が止まってしまった。
私の車は四駆なので平気だったが、とっさにその道に見切りをつけて方向転換して引き返し、海沿いに松山空港まで走った。

松山空港の写真集から、雪煙りを立てている。

車は降りた場所に置きっぱなしにした。
はじめからその予定だった。
事前に、空港の近くの整備工場に、時間に合わせて取りに来るようにと電話しておいたのだ。
旅行中に、車検整備を頼んで、終わったら工場の敷地に置いておくようにと言っておいた。
カギはシートの下に隠しておいてくれと言った。
大晦日に戻って来て使う予定だった。

今思うに、あの頃は寒かった。
今年の今月の14日はずいぶん暖かだった。
今日、寒くなったといっても、雪は降りそうもない。

松山空港から成田に飛んで、成田でツアーの仲間数十人と合流して、イベリア航空に乗った。
当時はスペインまでずいぶん時間がかかった。

夜のアンカレッジ。
今と航路が異なって、アンカレッジ空港で給油もしなければならなかった。
アンカレッジの冬景色はすばらしく、売店ではベトナム娘が元気よく応対してくれた。
キャビアを1ビン手に入れた。
このキャビアはトランクの隅にいれて後に母へのおみやげの1つになったが、僕たちの口には入らなかった。
母の冷蔵庫の隅で結局忘れ去られたのかも知れない。

<近日中の運勢>
もう一度繰り返す。また地震が起こるように驚くかもしれない。安易に他人を助けたりしてはならない。逆に安易に人に頼らずに自力で泥の中から抜け出せばよい。それが後々に笈に役立つ。

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