旅行家で列車マニアのYがまた紀行文を「郵便」で送ってきた。
特急『白鳥』号の話で始まる。
「全線乗ったけれど、ゆったりゆったりと時間が流れる列車だった。鳥海山がボヤッと見える日本海沿いは特にそうだった」
彼は、白鳥号引退時のオレンジカードの写真まで載せている。


彼の手紙には白鳥号の最後の姿があるのだが、コピーなので転載できないから、ネットで改めて探したのがこれ。

そして夜行寝台列車への惜別の念を書きつづっている。
読んでいくと、どうも、ブルートレイン=トワイライト・イクスプレスの引退によって、ますますヨーロッパの夜行列車へ気持ちが傾いていったようだ。


トワイライトイクスプレス

(彼の希望をかなえるために、JRの旅行会社のベテラン担当者は、電話での早押し買い競争に3回も挑戦して切符を手に入れたらしい。)
そして、彼の悲しいまでの情熱は、トーマス・クックの時刻表に向かう。
「中央ヨーロッパ・東ヨーロッパでは、まだ随分と夜行寝台列車が走っており・・ヨーシ、自分の青春の夢の継続はここにある」
そう考えたらしい。
読んでいると、彼の感情に同調してしまいそうだ。


彼が写したのとまったく同じ列車がネットにあった。蒸気機関車ではなく赤い列車のほうである。彼はこれに乗った。彼の写真の列車は、ほこりまみれ、泥まみれで人影のないホームに停車している。人々が降車したあとでもいつまでも列車を眺めていたのだ。

彼はその JUGOSLAVIJA と刻印されたプレートの写真も撮って、「痛ましい」と書いている。
かつてのユーゴスラビアは解体しているからだ。
古い列車に対する愛情と、「その後の騒乱・内戦・・三つの宗教、片手の指の数の人種、旧共和国内のいがみ合いに対する悲しみ」を、彼は深く感じて書いている。
そして最後に、「訪問するチャンスが多かれかし」、と結んでいる。
まだまだ乗るつもりのようだ。

<近日中の運勢>
居心地がいいと思って閉じこもっていては時間ばかりが経ってしまう。気がついたときには年をとってしまっている。しかし、今からでも自分で作った枠を取り払って新しいことを始めれば、吉。

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