連載小説 『野の球』 | 大友・ごむの「理想のワタミ」

連載小説 『野の球』

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<前回までのあらすじ>

陸上部のビースト部長は砲丸投げ選手だから豪速球を投げた。


INNING.29 『砲丸投ゲノ力』


  ビーストの放った豪速球に言葉を失うジャク商ナイン。


修斗「クソッ!あんな球、素人の橋本には打てない…」

  バッターボックスの中で足の震えを抑えきれない橋本。

ビースト「ガハハ!どんどん行くぞ!」

  再びビーストが砲丸投げの構えを始めると、ベンチの修斗が叫んだ。

修斗「ファーボールだ!ファーボールを狙え!」

橋本「ファー…ボール?」

修斗「そうだ!砲丸投げの投げ方は、一度後ろを向くことで

    キャッチャーから完全に目を離してしまうところが弱点だ!

    コントロールしづらいから、振らずにファーボールになるのを待つんだ!」

橋本「わかった!」


  陸上部側のベンチからカッティング・スティールボードが言う。

カッ「フフフ…そううまく行きますかね?」

修斗「何だと!?」


ビースト「ガハハー!」

  ズバーン!!

  ビーストの2投目もストライクゾーンのど真ん中を射抜いた。

ロンドン「ストラーイク!」

修斗「まさか!」


ビースト「ガハハハハ!砲丸投げの練習では、前に投げた砲丸がある所に

      砲丸をぶつけて砕いていくコントロールトレーニングがあるんじゃい。

      わしはそれが大得意でな。

      砲丸投げより軽く距離も短い、野球でストライクを取ることなど

      お茶の子さいさいじゃ!」


修斗「何てことだ。

    …そうだ!橋本!お前もバントを使え!

    元陸上部の脚を活かすんだ!」

橋本「わかった!」

カッ「フフフ…そううまく行きますかね?」

修斗「何だと!?」


  先ほど陸上部のフレイムが見せたように、バットを横に倒し

  ストライクゾーンに合わせる橋本。

ビースト「ガーハハー!」

  3投目を投じる。ギューン

修斗「よし!ピッタリの位置だ!」


  バキッ!

修斗「何ッ!?」

  ビーストの投げた球はバットをへし折り、そのままミットに吸い込まれた。

ロンドン「アウトー!」


ビースト「これが砲丸投げの力じゃい!ガハハーハ ハーハハ!」

修斗「ぐぅ…」

橋本「ごめん」 ベンチへ帰ってくる橋本。


  そして、続く2番・3番の林兄弟もずぶの素人であるため手も足も出ず、

  初回の真・野球部の攻撃は終了したのであった。

修斗「ぐぅ…」

つづく


圧倒的な力の差!一体どうすれば勝てるのか!?


作者コメント:ほんと暑くて家から出たくない。