父が亡くなって七年。

九十九回目の誕生日のニ週間前だった。

生まれた日もあの日と同じで、さぞかし暑かっただろう。

今、私の手元にある本は父の執念によって執筆、出版されたものです。

何故ならば、この小説を書き始めたのは、齢八十五を過ぎてからでした。

最初で最期の渾身の小説。

今にして思えば、書かずには、死ね無いと言う、魂の叫びだったのか。

有名書店に並べて貰ったけど、夢みた結果にはならず、父もいなくなってしまいました。

最近、出版社の新人賞を取った女性に読んでもらいました。昔の話で古臭いかなと心配していましたが、かえって新鮮だったようで、少し褒めていただきました。

私の感想は長い小説ですが、真ん中ぐらいまでは、かなり、良い出来映えだと思っています。

次の展開が待ち通しいぐらいでした。

後半は戦時中の主人公が置かれた立場等、日本の状況を一人の若者の目、考えをとうして、描かれます。

出来たら、ここにこの小説を載せていきたいと思いますが、興味のある方はいらっしゃいますでしょうか。