未承認GMO小麦に関して色々な動きが見られますので、纏めておきます。
 このシリーズは、文体を堅めで行くことにします。ご了承を。

 最近の話題は、こちら。






2013年6月5日 小麦農家・未認可GMでモンサントを集団提訴へ


米小麦農家が賠償求めモンサントを提訴、GM小麦発見で

2013年06月05日 15:39 発信地:ニューヨーク/米国


【6月5日 AFP】米オレゴン(Oregon)州の農場で未認可の遺伝子組み換え(GM)小麦が見つかった問題で、カンザス(Kansas)州の小麦農家が3日、小麦価格の下落を招くなど重大な過失を犯したとして米農業バイオ大手モンサント(Monsanto)に損害賠償を求める訴訟をカンザス州の連邦地裁に起こした。

 訴えを起こした農業経営者アーネスト・バーンズ(Ernest Barnes)氏の代理人であるサスマン・ゴドフリー(Susman Godfrey)法律事務所によると、近日中に他にも同様の提訴が見込まれ、集団訴訟としてまとまる可能性があるという。

 訴状は、モンサント製のGM小麦が発見されたことにより「農家は現在、(小麦)価格の急落と、各国の全面的な輸入禁止に直面している」と述べている。またバーンズ氏はモンサントに対し、10万ドル(約1000万円)を超える損害賠償を求めているという。(c)AFP


↓元記事 AFP通信(日本語版)
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2948032/10853555



 この記事だけでは、世界で何が起きているのか分からない。
 
 しかし、バイオ(農業)分野の帝王であるモンサントへのリベンジが始まりつつあることは確かだ。






 数年前では、モンサント社の訴訟は山ほど存在しても、大手メディアが報じることはまず有り得ない状況だった。

 ことの始まりは、小さな裁判になる。
 過去の歴史を紐解いても、大きな流れが生まれるには、起きる土台が整い、後は小さな切っ掛けさえあれば興る。






2012年2月15日 フランス・リヨンでモンサント製除草剤による健康被害裁判で原告が勝訴


米モンサントの除草剤訴訟、原告勝利で賠償命令 フランス

2012年02月15日 19:14 発信地:リヨン/フランス

$オオルリのブログ

【2月15日 AFP】農作業中に除草剤を吸入したために健康を害したとして、米バイオテクノロジー企業大手モンサント(Monsanto)を相手取り、フランスの農業従事者が2004年に損害賠償を求めた裁判で、仏リヨン(Lyon)地裁は13日、原告の主張を認め、賠償請求を認める判決を下した。世界的な影響を与える可能性のある判決となった。

 判決は「モンサントのラッソー乳剤(除草剤)を吸引した原告ポール・フランソワ(Paul Francois)氏(47)の健康被害について、モンサントには責任があり、損害賠償を全額支払う必要がある」とした。

 原告の弁護士フランソワ・ラフォルグ(Francois Lafforgue)氏は「この判決は、各国の農業従事者に関わるものだ」と述べた。

 穀物農家を営むフランソワ氏は2004年、モンサント製の除草剤を使用した際に誤って吸引してしまい、吐き気、吃音、めまい、頭痛、筋肉痛などの症状が表れ、以降1年間は仕事に復帰できなかった。

 カナダ、英国、ベルギーではすでに使用が禁止されていた2007年まで、フランスではラッソー乳剤が市場に出回っていた。この点についてもモンサントは指摘・非難されている。

 モンサントはまた、有害物質の含有および吸引した際の人体へのリスク、さらにはマスクの着用といった防護策についても、ラベルへの記載を怠っていたとされる。

 モンサント側の弁護士ジャン・フィリップ・デルサール(Jean-Philippe Delsart)氏は、原告の訴える症状が除草剤の使用から時間が経過した後に表れたことから、関連については証拠がないと反論した。

 上訴についてモンサントは、現時点で未定としている。
 
 大量に使用されている農薬について反対を訴えるフランスの消費者団体「ジェネラシオン・フュチュール(Generations Futures、未来世代を守る運動)」は今回の判決を歓迎している。

 同団体の広報は「この問題において、モンサントの責任が認識されることが重要だ。農薬関連企業は今後、責任逃れが不可能になったことを分かっただろう」と述べた。また「全ての農業従事者と全ての農薬による犠牲者にとって重要な一歩。彼らの体をむしばむ病理の苦しみに対してモンサントは責任を問われ、損害賠償が支払われる」と続けた。

 農民運動と反グローバリゼーション運動の活動家として知られる、欧州議会のジョゼ・ボベ(Jose Bove)議員は、フランスの農薬認可制度を改革することが必要だと述べた。ボベ議員はAFPに対し、「ラッソー乳剤は1980年代に危険と分類された…しかし、2007年になってようやくその販売が禁止されたことからも分かるように、認可制度を全体的に作り直す必要がある」と語った。(c)AFP


↓元記事 AFP通信(日本語版)
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2857778/8467281


写真: リヨン(Lyon)の裁判所に到着した原告のポール・フランソワ(Paul Francois)氏(2011年12月12日撮影)。(C)AFP/JEAN-PHILIPPE KSIAZEK


 この小さな裁判の結果が、世界に衝撃を与えることになったのは、モンサント社は凄腕の弁護団を常に擁しており、世界的に裁判巧者として知られているからだ。

 勿論、モンサント社には常に陰謀論が付きまとう。
 色々な理由があるのだろうが、有名なところではベトナム戦争の枯れ葉剤を大量生産したのがモンサント社だった。その為に、ベトナム反戦活動家などに纏わる話に、モンサント社が裏や表の話で出てくる。

 政治・報道面では、ホワイトハウスや米国議会に常に強力なパイプ役が存在するとされており、ロビイストも米大手メディア・広告代理店に存在すると囁かれているからだ。
 表では強力なスポンサーになれば、それだけで報道を押さえ込むことは少しは可能だが、それだけで世界の王者になれると考えるのではあれば、ほとんどの会社がなれるはずだ。その論法では、陰謀論を馬鹿にする資格は無い。
 
 少なくとも、陰謀論抜きで世界の大手メディアがモンサント社にとって不都合な報道を行わないのは周知の事実。
 日本でもそうだが、特にニュース放送メディアは取り上げにくい。まだ、新聞の方が幾分正常だ。

 この映像がどこの報道映像であるのか、明らかにされていないのだが、YouTubeに日本語訳付でアップされている。

↓YouTUBE 『 モンサント 農薬使用による農業家被害に有罪判決(フランス) 』

http://youtu.be/gyCrv-kPT7A

 AFP通信と同内容のニュースになるのだが、ヨーロッパでもモンサント社に関する報道が増えてきたとの報告もある。






 フランスのリヨンで起きた地方裁判の判決結果が、世界ニュースで報道される。

 世界は確実に何かが変わろうとしている・・・






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