前回からの続き・・・
 
 【関連記事】: TPP問題 その2 TPP参加=医療サービスの低下? vol.1 アメリカの現状

 前回はアメリカ医療の現状を主にお届けしましたが、アメリカは民間保険会社と製薬会社が金と権力を持ち過ぎて既に崩壊状態へと向かっています。
 TPP参加により、日本の医療も米国寄りへと引き摺られると、後戻りは出来なくなります。

 医療関係は、色々と一般人には難しい話も出てきますので、今回は全国的に医療団体が反対している資料関係と記事を紹介する程度に留めています。





 単なるブロガーの私があれこれ書くより、実際に医療現場に携わる人達も農業団体と結束して反対運動を全国で繰り広げられている。

<医師会からもTPP反対意見が多数>

 農業だけで無く、医療現場からのTPP反対運動は、マスコミからも数少ないながらも取り上げられています。

地域経済・医療崩壊の恐れ JAと県医師会 TPP反対集会開く

2011年10月20日

$オオルリのブログ 環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加に反対するJA県中央会と県医師会が主催した緊急集会が十九日、小美玉市四季文化館みの~れで開かれた。関係団体などから約七百人が集結し、「食料自給率の低下や地域経済・社会の崩壊を招く恐れがある」「地域医療、保険、雇用、食品安全性など国のかたちを一変させてしまう」として断固反対を求める決議を採択した。 (北爪三記)

 両団体によるTPP反対の活動は初めて。壇上には、加倉井豊邦・JA県中央会長や斎藤浩・県医師会長らが背中に「TPP交渉参加断固反対!」と赤で書かれた白いジャンパーを着て並んだ。

 斎藤会長は「TPPは農業だけでなく医療、福祉、介護、教育などあらゆる産業に関与している。日本は米国の属国化する必要があるのか。安易に参加してはならない」などと主張。加倉井会長は「主食であるコメの生産を外国に任せることになったら国や国民を守れるのか。相手国にはっきり物を言えるのか。そういう事態を招きかねず、この協定の危うさ、問題の本質を見極めて阻止していきたい」と呼び掛けた。

 来賓であいさつした県消費者団体連絡会の川上ヒロ子会長は「国民や消費者の生活にどんな影響を与えるのか明らかにされない中、交渉問題を農業対工業のように扱い、十一月までに参加を前提とした結論を導こうとする政府の方針に違和感を感じる」と問題提起。「震災や原発事故によって、食の安全安心や健康に対する国民の関心はかつてなく高い。私たちはTPP問題が何なのか知る権利がある。政府は国民に十分な説明をする必要がある」と訴えた。

 自民、民主、公明、自民県政ク、共産の県議ら約三十人も駆け付け、集会の終わりに主催者とともに拳をつくり、壇上で「ガンバロー」を三唱して気勢を上げた。

 TPPをめぐっては、JA県中央会など十六団体が今年二月に「TPP対策県農林水産団体本部」を設置。三十四万六千三百九十七人の反対署名を集めるなどしている。

 県議会も昨年の第四回定例会で、TPP交渉参加反対の請願を採択したほか、国民的議論や慎重な判断を求める意見書を可決している。


↓元記事 東京新聞 Tokyo Web
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20111020/CK2011102002000063.html



 元記事は時事通信だが、福島でも同様の集会が開かれウォールストリートジャーナルが報道している。


TPPより復旧・復興を=JAや医師会など反対集会―福島

2011年 10月 21日 20:10 JST

 福島県のJAグループなど46団体が21日、福島市内で集会を開き、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加反対と東日本大震災や東京電力福島第1原発事故からの復旧・復興の取り組み強化を求める決議を採択した。JA福島中央会の庄條徳一会長は「今取り組むべきはTPP交渉への参加ではなく、震災からの復旧・復興ではないか」と訴えた。

 また、福島県の医師会や薬剤師会なども集会に参加、外国資本の参入による医療の質の低下に懸念を表明した。県医師会の高谷雄三会長は「全力を挙げて国民皆保険を守る。TPP参加には絶対反対の立場を貫く」と強調した。

 この日の集会は、JA福島や福島県生協組合連合会などが主催し、約800人が参加した。 

[時事通信社]


↓元記事 ウォールストリート・ジャーナル(日本語版)
http://jp.wsj.com/Japan/Economy/node_329121







先に用語の解説を。
医療専門家の間では、国境を跨いだ診療を医療ツーリズム(医療観光)と呼んでいる。

↓Wikipedia 医療観光
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%BB%E7%99%82%E8%A6%B3%E5%85%89


報道でも分るように、社団法人・日本医師会は公にTPP反対を表明している。

↓社団法人・日本医師会 公式ページ 各都道府県における医療ツーリズムの動向
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110126_2.pdf
※2011年1月26日の資料(日付は古いのですが、都道府県別の医療ツーリズム<TPPにも含まれる>に対する見解を一覧に纏めてくれている。何と47都道府県中、賛成ゼロ。)

↓社団法人・日本医師会 公式ページ 日本の医療が危機にさらされている
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110126_11.pdf
※2011年1月26日の資料(日付は古いのですが、要点を纏めてくれています。)

↓社団法人・日本医師会 公式ページ 医療における規制制度改革とTPPの影響
http://dl.med.or.jp/dl-med/etc/kokumin/2011/tpp.pdf
※2011年9月23日の資料(こちらの方が新しくお勧めです。)


日本医師会は、全国の医師から成る公益法人。

↓Wikipedia 日本医師会
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E4%BC%9A

他にも、日本歯科医師会、日本薬剤師会が、TPPを慎重に考える会に頻繁に出席している。

TPP問題、医療業界にも危機感――「慎重に考える会」が勉強会

[2011-10-21]

 「TPPを慎重に考える会」(山田正彦会長)は12日、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会などを招き、勉強会を開いた。各団体は医療業界に過度の市場原理がもたらされることに危機感を表明。情報開示に消極的な外務省の姿勢にも批判が集中した。


↓元記事 全国農業新聞
http://www.nca.or.jp/shinbun/about.php?aid=3243


日本医師会ほど公にTPP反対を表明していないが、両会のトップクラスの発言は概ね反対意見になっている。

基本的に賛成するにしても反対するにしても、TPPに関する情報を持っているのが外務省になるのだが、その外務省が相変わらず情報開示に消極的だ。
つまり、TPPを検討しようにも情報が出て来ないから、検討材料が無いのが今の日本の現状だ。





<最後に>

 アメリカのようにここまで酷くなるものか・・・ とお考えの皆さん。TPPが締結されると、そんな保証は無くなります。
 
 仮の話でも無いですが、TPPはアンフェアな条件下の経済戦争になります。
 逆を言えば、アメリカの場合は本国に保険会社や製薬会社などが存在します。その分、アメリカ本国はまだましな環境下にあるかも?しれません。

 今後、東日本を中心とした低線量被曝による診療数は激増していくでしょう。
 医療制度の死守は、今後の日本の命運を握ります。

 TPPにより、他の国にその産業を食い荒らされてしまうと、訴えるべき相手は国では無く、会社も自国には無い・・・。
 何て状態を想像してみてください。

     ◇    ◆    ◇

 あまり、極端に反対意見ばかり書いても冷静では無いと思われるかもしれませんので・・・。

 想像して頂きたいのですが、良く分らない契約書(TPP)を出されたとします。
あなたなら サインする? しない? と迫られてどう答えますか? が今の日本です。

 そんな良く分らない物に契約できるか! となるのが普通です。つまり、多くが反対。
日本医師会や農業組合など多くの団体の主張は、普通の事を云っています。






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