NASAの発表だったが、予想出来ただけに、期待もしていなかった。

何やら、ショックを受けた方も多いようで・・・。
仕方ないので、もっと情報が集まってから記事にしようと思ったのだが、とりあえず。

ただ、既にご存じの方も多いと思われるので、遠慮なくスルーして下さい。

第一弾として、太陽観測衛星の「ステレオ」と、太陽フレアの脅威をお届けします。




 土星シリーズで、超巨大UFOをお届けしたが、実はあの話題自体は去年が旬の話題で、今年に入って世界のUFOカンファレンスでの目玉アジェンダ(議題)は、この太陽周辺の超巨大UFOである。

まず、天文関係に興味のない方には、NASAが太陽観測用の衛星として「ステレオ」を打ち上げており、続々と貴重な画像や観測データを地上に送信している事を知らなければならない。

NASAによる「ステレオ」の説明
オオルリのブログSTEREO (Solar TErrestrial RElations Observatory) is the third mission in NASA's Solar Terrestrial Probes program (STP).
- 「ステレオ」(頭文字を取って、「STEREO」と命名。直訳すると、太陽と地球の関係天文台)は、NASAにおける太陽調査計画(STP)の第3ミッションである。

This two-year mission, launched October 2006, will provide a unique and revolutionary view of the Sun-Earth System.
- この2年の任務は、2006年10月に打ち上げられ、太陽系におけるユニークで革新的な映像を提供するだろう。
(※延長した模様、現在も観測を継続している。)

The two nearly identical observatories - one ahead of Earth in its orbit, the other trailing behind - will trace the flow of energy and matter from the Sun to Earth.
- 2つのほぼ同じ天文台(一つは軌道上、地球の前に、もうひとつは引きずる形で背後に)が太陽から地球までのエネルギーと物質の流れを辿る。
(※つまり、双子衛星で、衛星軌道も微妙にズレている事を説明している)

They will reveal the 3D structure of coronal mass ejections; violent eruptions of matter from the sun that can disrupt satellites and power grids, and help us understand why they happen.
- それらは、太陽コロナの質量放出の立体構造を明らかにするだろう。太陽における大爆発が衛星システムや送電網を寸断しており、その原因究明の手助けとなる。

STEREO will become a key addition to the fleet of space weather detection satellites by providing more accurate alerts for the arrival time of Earth-directed solar ejections with its unique side-viewing perspective.
- 「ステレオ」は、ユニークな側面の立体視による、より正確な地球への太陽爆発の到達時間を警告し、宇宙気象衛星群における主要衛星となりえる。


これは、立体視「ステレオカメラ」を、太陽観測衛星システムに用いた事を示している。
一般的には意味が異なるが、原理的には「ステレオグラム」の方が馴染みがあるだろう。
それに合わせて、無理やり?略字が「STEREO」となるように命名したようだ。つまり洒落たシャレなので、計画名が可笑しいとか、正式名称を無理やり直訳する方が頭が固いと言われるかもしれません。
因みに、日本のサイトでも「ステレオ」としか紹介していません。

↓Wikipedia 「ステレオカメラ」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9

「ステレオグラム」は、視力回復メニューにも取り入れられており、逆に目を良くする効果が認められている。
後、両目を上手く運動させる為、斜視防止に良いそうだ。

↓Wikipedia 「ステレオグラム」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0

↓ステレオグラム作品集
http://www2.aimnet.ne.jp/nakahara/3dart/3sakuhin1.html




なぜ、この衛星「ステレオ」が打ち上げられたかと言うと、重大な事件がカナダで発生した為である。

その前に、太陽フレアを簡単に解説してくれている映像をどうぞ。

↓ナショナルジオグラフィック公式ページ 日本語 『太陽からの突風』
http://www.nationalgeographic.co.jp/video/video_title.php?category=4&embedCode=Rya3E5OpDftvDG-Hvt-UlqBIu3kAGJgz&class=8192





<オーストラリア 宇宙気象機構 による カナダ大停電の解説>
オオルリのブログ
上写真は、太陽風と地球の電離層の模式図
地球の電離層が、太陽風をどうガードしているか分かり易くしてくれている。
極(北極、南極)に近い程、太陽風(磁気嵐)の影響を受け易い事が分かる。
オーロラが極に近い程、発生し易くなるのは地球の電離層が薄い事を証明している。

Power Failure in Canada During 1989
-1989年のカナダ大停電

オオルリのブログOn March 13th, 1989 a huge solar induced magnetic storm played havoc with the ionosphere, and the earth's magnetic field. This storm, the second largest storm experienced in the past 50 years, totally shut down Hydro-Quebec, the power grid servicing Canada's Quebec province.
-1989年3月13日に、巨大な太陽が誘発した巨大な磁気嵐が、地球の電離層と地磁気層を無効化した。
 この嵐(過去50年間で観測された中で2番目に大きい嵐)は、カナダ国営のケベック州電力供給会社「 Hydro-Quebec(ハイドロ-ケベック)」を完全に停止させた。


Montreal, March 15, 1989
-1989年3月15日 モントリオール

Hydro-Quebec confirms that the March 13 blackout was caused by the strongest magnetic storm ever recorded since the 735-kV power system was commissioned.
-ハイドロ-ケベックは、735kVのパワー・システムが運用されて以来、今まで記録された中で最も強い磁気嵐によって引き起こされたのが、3月の13日の大停電だったと結論付けた。

At 2:45 a.m., the storm, which resulted from a solar flare, tripped five lines from James Bay and caused a generation loss of 9,450 MW. With a load of some 21,350 MW at that moment, the system was unable to withstand this sudden loss and collapsed within seconds, thereby causing further loss of generation from Churchill Falls and Mania-Outardes.
-午前2時45分、太陽フレアから生じた磁気嵐が、ジェームズ湾から伸びる5本の送電線を停止させ、9,450MWの発電システムに損失をもたらした。瞬間的に約2万1350MWの高負荷にシステムが耐えきれなくなり、数秒以内に崩壊した。その結果、チャーチル・フォールズ~マニア・アウターデスにかけて、更なる発電損害が発生した。


オオルリのブログMagnetic storms affect power system behaviour, mainly in that they cause transformer saturation, which reduces or distorts voltage. Hydro-Quebec's long lines and static compensators make the system particularly sensitive to such natural phenomena.
-主に変圧器飽和(電圧を低下するか、または不安定になる)を引き起こすので、磁気嵐は電力システムの挙動に影響する。ハイドロ-ケベックの長い線と静止型電圧調整器において、システムは特にそのような自然現象に敏感になる。

For example, analysing the events that caused the March 13 blackout, the utility's experts noted a coincidence between the exceptional intensity of the magnetic storm and the tripping of several static compensators, especially at Chibougamau and La Verendrye substations.
-例えば、3月13日の停電を引き起こした出来事を分析して、広範的な専門家は磁気嵐の例外的な強度と数個の静止型電圧調整器の停止との間にある偶然の一致に着目した、特にシブガモとラ・ヴェランドリ変電所で。

Immediately after this loss, records show voltage oscillations and power-swings increasing until the the lines from James Bay were lost. Within seconds, the whole grid was out of service.
-この損失直後、記録は、ジェームズ湾からの電線が欠損するまで電圧振動と電力振動が増加するのを示している。そして数秒以内に、全体の送電網は停止していた。

 これ以降は、ハイドロ-ケベックの送電システムに関する話なので、省略。

写真一枚目は、ハイドロ-ケベック本社ビル
写真二枚目は、ハイドロ-ケベック・ダム

↓英文 「 The Australian Space Weather Agency (Power Failure in Canada During 1989) 」
http://www.ips.gov.au/Educational/1/3/12


 つまり、一般人には信じがたい話となるのだろが、太陽フレアの大爆発は、現代のライフラインを簡単に寸断する事が明らかになっている。
 余談だが、水もガスもモーター(つまり電力)によって供給されており、電力が無ければ、ガス、水も家庭に届かなくなる可能性を秘めている。便利になった現代だが、電気が無ければ何も出来なくなると言う思わぬ落とし穴が待ち構えている。
 特に、高電磁パルス(EMP)は、広域の大停電を起こす事が可能で、簡単にICチップを焼き切ってしまう。つまり、現代の快適な生活を下支えする電化製品が一瞬にして一切使用不可能になる事態も起こり得る。因みに、自動車も既に電化製品の塊と化しているので使用不可能になる可能性もある。却って旧式の自動車が走行可能だったりする。
 何も太陽フレアだけに着目しなくても、核爆弾をはるか上空で爆発させるだけで起きる為、人工的に誘発する事も可能であると記憶に留めておいて頂きたい。

↓YouTUBE 『 高高度核爆発で強力な電磁パルス(EMP)が発生。 2012年に大量使用するか? 』

2010年10月16日

【独り言】 ふ~ん、ロス沖の謎のミサイルねぇ・・・




思わず、長くなってしまった・・・。
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