※グループ名とメンバー名は敢えて伏せた。察してほしい。

 

※無責任な憶測はしないようにしたが、主観や推測は挟むため苦手な方は戻ってほしい。

 

それを踏まえて、どうぞ。

 

 

私がそれを知ったのは、インターン先で初出勤を終えて一息つこうとSNSを開いた時だった。

インターンは正直しんどくて、覚えることも沢山で頭がパンクしそうで。だからこそ推しを摂取して心を安らげたいと思って安直に開いてしまった。友人からの「SNSを開くな」という警告のLINEは、その時通知の波に埋もれて何の役にも立ちはしなかった。

界隈とは関係ないフォロワーがRTしていた記事の見出しには、見慣れた金髪の青年が写っている。見慣れたグループ名、見慣れた芸名。そして「脱退」の二文字。

 

頭が真っ白になった。

 

脱退とは。円満とは。本人のコメントもなく、公式SNSでも何のアナウンスもない。

何も、わからなかった。

 

泣きながらバスに飛び乗り魂が抜けたように彼らの音楽を聴いた。夕立が突然降り始めたせいでずぶ濡れだ。ドラマかよと思った。全然笑えなかった。

一番最近リリースされた、彼がプロデュースに携わった曲が流れた瞬間、本当に胸が張り裂けそうになった。

なんで、どうして。あなたはこんなにも頑張っていたじゃないか。

アイドルとして、リーダーとして、メインボーカルとして日本語担当として沢山たくさん努力を重ねていたじゃないか。

そんな子が、何の前触れもなく、どうして。

 

 

前兆がなかったかと言われたら嘘になる。

購読していたBubbleが数日の間ストップしていた。

けれどそれは他のメンバーも同じで、カムバの準備かもしれない、休暇を取っているのかもしれないと思っていた。思い込んでいた。

しかし他のメンバーが一行でも何かを送ってくれる中、彼だけは何も送っては来なかった。

そして迎えた昨日。

そういうことだったのか。ただそう思うことしかできなかった。

 

 

私の推しは彼ではない。

けれども確実に彼は大きな存在として存在していたし、私は彼に沢山助けられた。

 

彼は日本語がうまい。多分私より上手いのではないだろうか。流暢に話し、特有の訛りなど一切ない滑らかな口調。悩んだりつっかかったりせず、すらすらと出てくる言葉たち。「次の活動も楽しみにしてください」、「会いたい」。彼は確かにそう語っていた。

彼は日本語の勉強を本当に熱心に頑張っていた。私は彼の「日本語ノート」を二回ほどみたことがあるが、青い筆跡で単語とその意味、文法がびっしりとページいっぱいに刻まれている様には本当に感動した。

本当に熱心だなと、音楽活動には言語なんて必要ないはずなのにどうしてこんなにも頑張れるのだろうなと。私なんて、推しが韓国語話者なのに全然韓国語頑張れないのに。

 

それから私は、彼に感銘を受けて韓国語の勉強を再開した。

勉強中めげそうな時、「彼もあんなに頑張っているのだから」と思い、もうひと踏ん張り頑張れた。

私も彼のように、白い紙をハングルでいっぱいに埋め尽くした。これで少しでも彼の言語を知り、彼の言葉を分かるようになれたらいいなと願いながら。

彼の日本語ノートが、頑張る姿が、私のモチベーションそのものだった。

 

友達と彼について話したとき、なんとなくではあるが、「マウントを取りたいような子だよね」というような話をしたことがある。

誤解しないでほしいのだが、これは「可愛い、愛おしい」という意味での言葉だ。

自己肯定感が強いんだろうな、自分の所有物や持っているもの(特に愛犬)、そして自分自身をちゃんと愛せているのだろうな、と。羨ましかった。私にもそうやって生きる精神状態がほしかった。

彼はよく犬の写真を送信し、自慢していた。けれども時折「みんな俺より犬の写真の方が好きみたいだけど?」と言ったのち、「俺のことも愛してよ」、「俺意外と嫉妬深いよ」と冗談めかして言っていた。自分にまつわるあらゆるものが好きなのだな、と思っていた。

 

けれども同時に、彼は日々の生活を事細かに教えてくれた。今日は運動に行った、サラダを食べた、鶏むね肉を食べた、日本語の授業に行った、さっきまで作業をしていた……連絡が来るのはいつも昼過ぎから深夜にかけて。遅い時には深夜二時~三時くらいに送ってくる。それがほとんど日常だった。

最初は自分のやっていることを自慢したいのだと思っていた。今日はこんなことをしたよと報告することでモチベーションを保ちたいのだろうと。しかしその内容は時折弱音を含んでいた。そんなにつらいならやめたらいいのにと思った。

 

「自慢」は、もしかしたら彼のSOSだったのかもしれなかった。

 

「食べたら運動しなきゃいけない」という強迫観念じみた思考を覗かせることもあった。

それでも取り繕うように「君に良い姿を見せたいからダイエットしてるんだよ、心配すんな!」と語っていた。けれども彼は「良い姿」を見せる前にグループを離れてしまった。

 

私は彼が弱音を吐く時、「あなたはそのままでも十分だよ、痩せているよ」「そのままのあなたでいいんだよ」と送っていた。けれどもその声は届かなかった。

 

誤解を生みたくないので補足するが、彼は本当にやせ細っていた。最後のカムバックの際、彼は6~8kg痩せたと語っていたし、一番最近の写真集のビハインドを見た際も、最初に出る言葉は「痩せてない?」だった。友達もそう言っていたのだから第三者から見ても痩せていたのは明らかだろう。彼の笑顔はどこか不健康な皺の寄ったもので、真顔になると頬には不自然な浅いくぼみができていた。そんな彼がどうして運動しなければならないのか、どうしてあんなにも思いつめてしまったのか……ここから先は憶測になってしまうため控えさせていただくが、私は悔しくて堪らない。あなたはそのままでも十分素敵だ。その言葉が本当の意味で彼に届かなかったことが心残りでならない。

 

また、事務所の管理不足も指摘しておきたい。過度な食事制限とトレーニング、そしてぐちゃぐちゃな生活リズム。遅くまで事務所に出入りすることが許可されていて(彼は「深夜に練習室に一人でいたんだけど怖くて帰ってきちゃった」と送ってきたこともある)、それに対して何も言わない事務所。そんな生活で健康でいられるはずがないだろう。彼らは別にカムバック期間でもなんでもないのに、どうしてこんなに頑張り続けなければならないのだろう。これが、アイドル?

皆が憧れ、なりたいと渇望し、時に勇気をもらい時に慰め寄り添ってくれる「アイドル」というものはここまでしないといけないのだろうか?

この世界に失望しそうだ。

私はただ、彼が笑っているだけで、ただそれだけで良かったのに。

 

 

今も私は彼らの音楽を聴いている。みんなみんな大好きだ。音楽もメンバーも世界観も、全て。けれどももうそこには彼はいない。それが堪らなくつらく、堪らなく悲しい。

私の好きな曲のひとつに、彼がラスサビで高音をぶちかますものがある。それを聞きたいがためにいつも聞いていたし、これから先、「彼ら」7人のステージが見られないと思うと私の生きがいが消えてしまったように感じられる。

 

だって彼らはまだ、歩き始めたばかりなのだ。

ペンライトだってできていないしコンサートだってやっていない。

こんなのあんまりだ。

 

これから私はどうしたら良いのだろうか。

7人の彼らも「彼ら」だし、6人の彼らも「彼ら」だ。

そのどちらも否定してはいけないし、存在しているということも事実だ。けれど、けれども。

6人の彼らを応援するということは、7人だった彼らを否定することになりかねないのではないだろうか?

そもそも6人の彼らは「彼ら」として成立するのだろうか?

きっとこれから6人で活動するとして、私たちは彼の存在や彼のいないことによる埋められない隙間を目の当たりにすることになるだろう。私はそれに耐えられるだろうか。

 

勿論6人のことも大好きだ。

その中に推しは何人もいるし、例えるならば全員まとめて抱きしめたいくらい大好きで大切にしたい。

けれどこのままこの場所で、メインボーカルもリーダーもいない状況でこのグループは存続できるのだろうか。

 

私の考えにはなってしまうが、私は次のカムバックまで慎重に見守りたい。

だってそこには推しがいる。見捨てることなどできない大切な推しが残されている。

そしてきっと推しはまだ輝くことを諦めていない。

「彼ら」という居場所で輝くことを諦めてはいないのだ。

それならば、見届ける義務があるのではないだろうか。というのが現時点での私の結論である。

 

……とはいえ、つらかったりコンセプトの雲行きが怪しかったら離れようとは思っている。

「応援」が必ずしも応援に繋がらないかもしれないということを今回学んだからだ。

もう誰も悲しませたくないし誰もしんどい思いをしてほしくない。

だからこそ、応援し続けるかどうかは慎重に見極めたい。

自分の精神衛生のためにも。

 

まとまらず大変申し訳ないが、以上が私のお気持ちをまとめたものである。

そして私は、できる限り「彼」という存在を忘れないようにしようと心に誓った。

「彼ら」の中には彼がいたんだよ、本当に素晴らしいメンバーがいたんだよ。

彼がそれを望んでいるかは分からないが、彼がそこに存在し、輝いていたということは絶対に忘れたくない。

 

今私の端末の壁紙は彼の日本語ノートだ。

私はとりあえず、これからも彼を見習って韓国語を頑張りたい。

(何もできないオタクなりの気持ちの整理の仕方だ。これしかできない自分が腹立たしい。)

私の中では、ずっとずっと、「彼ら」の中の「彼」が愛おしい笑顔で輝いている。

忘れたくない。絶対に。

 

彼に伝えたい事は、

たくさん食べて沢山寝て、運動も勉強も音楽も全部ぜんぶ忘れて解き放たれてほしい。

ただそれだけだ。

本当に今までお疲れ様。しばらくゆっくりしてほしいし、大好きな愛犬とも戯れてほしい。

お腹いっぱいお母さんのごはんを食べてほしい。

 

ずっとずっと、大好きで憧れです。

あいしてる。

 

I LOVE YOU.