もうだいぶ冷え込んできたなぁ・・・。そんな日の夜だった。
おかんから涙声で電話があった。
「お父さんがね、癌なんだって・・・。」
一瞬、意味が分からなかった。
数ヶ月前から、おとんは血尿がありもともと石が出来やすい体質だったので今回も「石ですね~。砕いて出しましょ~」ということだった。
石はすぐに出たものの、血尿がロゼワインの様になり、夜は頻尿になった。時々間に合わない程の時もあったそうだ。
年末になり、あまりにおかしいと感じすぐにかかりつけの病院へ行った。
緊急で精密検査となった。
年明けに精密検査の結果を聞きに私も一緒に行った。
予約はしてあったがかなり待たされた。
おとんの順番になり、診察室へ入る。
先生がまず最初にこう言った。
「これからとても残酷なお話になるかと思いますが、大丈夫ですか?」
大丈夫もなにも、それを聞きに来たのだ。
おとん「やっぱりがんですか?」
先生「かなり進行している膀胱癌だと思われます。ここはリンパなのですが、影の様に見えます。転移している可能性がとても高いです。」
おかん「ステージはどれくらいですか?」
先生「私が見るからにはステージは4くらいでしょうか・・・。ここでは手術が出来ません。転院したとしても手術は難しいんじゃないか?と思う位、大きくなっています。とりあえず紹介状を書きますので、大きな所へ。。。」
膀胱の約半分が癌におかされている様だ。
そうだろう・・・とは思っていたけど付き添っていた私が血の気が冷め、倒れる程だった。
覚悟は出来ていたとは言え、ショックは隠しきれなかったが、おとんは意外にもしっかりしていた。
あらかじめ膀胱癌については色々調べ、名医の先生も確認済みだった。
調度、紹介してくれると言った病院にその名医の先生がいることを知っていたので、ダメ元でその先生宛に紹介状を書いてもらえないかとお願いした。
先生「どの先生、どの病院でも今はそうは変わりませんよ。」
私「それでも、少しでも腕の良い先生にお願いしたい!と思う気持ちですので、どうかその先生宛におねがいします。」
紹介状や検査の結果の資料を沢山貰い、すぐに予約の電話をした。
おとんに残された時間があとどれくらいなのか?分からない事もあり、少しでも早く名医の先生にすがりたい気持ちでいっぱいだった。
名医というだけあって、やはりすぐに予約を取るのは難しいと言われたが、とにかく時間がない!という事を伝えて他の先生になってしまうかもしれないという事を了承し、最短で予約を入れてもらった。
翌週の休み明けに名医の先生がいらっしゃる病院へ行った。
続く
