野良さんたちをお世話している方を、毎月一回訪ねているところがある。（仮にMさんとします）

先日伺った時、一匹の猫さんが何日か前からごはんを食べず痩せてしまって弱ってると聞きました。
いつもは敷地内にいるのに、その日は私が行く少し前に来客があって、その際どこかに逃げ隠れてしまったらしく、探したけど見つけられず会うことができませんでした。

その子は昨年から口内炎と思われる症状がみられたり、行くたびになにかしら心配な報告を受けていて、Mさんにも話したことあったけど、たぶんエイズなんじゃないかなと思っていた子です。

お口が痛く毛繕いができなかった頃

触ることのできない野良さんだから、見守るしかないですね…そんな子だったけど、フードを工夫したりご自身でサプリなど探したりと、それなりにお世話してくださっていたので毎回その子用にスープのパウチとかをお届けしていました。

背中の脱毛が酷かった頃

数日前、用事があってある場所に向かうのにちょうどそのお宅の近くを走っていた時、その猫さんが血を吐いてしまい、目も目やにで塞がっていてヨダレもひどく、ハエが集まってきてるし弱ってる…とMさんから電話がきました。

なんてタイミングなんだろ。そのまますぐにMさん宅に。

「病院に連れて行ったら治る見込みありますか」と聞かれたけど、たぶん…もう無理だと思う、そんな状態でした。

ガリガリです…あまりにもひどく痛々しいお顔なのでその画像UPするのは控えます

触ることのできない子だったのに今なら触れるから病院に連れて行ってあげたいと言うけど、延命しても数日ではないか…

素人目ではあるけど経験は積んでいる。もう看取りだという状態であることくらいはも分かる。

そんなことも踏まえお話したけど、でもMさんはどうしても病院に連れて行ってあげたい様子だったので、かかりつけの病院に診察していただけるよう連絡。

不安だったのだろう…

Mさん、もうキャリーに入れちゃったほうがいいですよね！と急いでキャリーを持ってきて入れようと抱き上げたら…暴れて逃げた

もう力もないだろうにやっとの力を振り絞って逃げようとしたのだろう。

バトンタッチしてちゃちゃーっと捕まえキャリーに入れてあげて、後のことはMさんにお任せし私はそのまま用事のある目的地へ。

夕方病院から帰宅したMさんから連絡がきた。

やっぱりエイズでした。

やはり厳しい…とのことらしい。

この子はこのままお家に入れて、しばらくみてくださるというので、このまま看取ってくださるんだ…良かった…と思った。

後になって分かったのだけど、この時点ではまだMさんは治療してもらえれば治ると思っていたようで、看取りではなく、回復するまでお部屋で看てあげようってつもりだったんだって。

実は去年、もう一匹同じようにあまり体調良くなかった子がいたのだけど、その子が急に姿を消してしまって、もしかしたらどこかで死んでしまったんだと思うと言っていた。
きっとそのことがあったから、この子のことは最期は暖かいお部屋で看取ってあげようって思ってくださったんだって、勝手に私が思っちゃっただけだったみたい

一番上にいる子が消息不明で亡くなってしまったと思われる子

野良さんだから仕方ない、ではなく、ちゃんと治療してあげたい、最期だけでもお家に入れて看てあげたいってありがたいことだなぁって思っていたら、翌日また電話がきて、猫さんの状況を報告してくださり、どうしたらいいか悩まれてることを話してくださいました。

もう本当にそっと見守ってあげるのが一番、そんな状態だった。
猫さんのためにももう看取りでいいんじゃないかなと、アドバイスも含めいろいろお話したのだけど、それを聞いて楽になったと…

Mさん自身も、こんな状態の子をお世話するのはやっぱり無理だと…
お家に入れて看病すれば回復するならと思ってお家に入れたけど、でももう口からは膿（？）が出ているし、食べさせることもできないし、もう治らないならお外のみんなのいるところに戻してあげた方がいいのかなとお外に戻したという…

お外にもちゃんと過ごせる場所は作ってあって、そこに入れてあげればもうあの体力では余程じゃない限り移動できないだろうから、目は届く。

せっかくお家に入れてあげたのだから、本当ならそのままお部屋で看取ってもらいたかった。
でも、それを強要することはできないし、しようとも思わないし、ここまで一生懸命に猫さんを思ってくださったのだから…ね。

翌朝…訃報が届いた。

いつも過ごしていた場所で、いつも一緒にいた仲間たちのそばで、Mさんの愛情を受けながら、虹の橋に旅立ちました。

この子は知人個人ボランティアさんがTNRした場所の野良さんで、当時は30匹くらいいたとか。
その頃お世話していた方は一人暮らしのご高齢の方で、その方が亡くなってしまい、そこにいた猫さんたちは今は数は減ってきているもののご近所のMさん宅やまた別の方（仮にKさんとします）の所に移動し、お世話されています。
MさんもKさんも、たくさんの野良さんが集まってきてるのに本当に猫さんたちに優しくしてくださってます。

そんな猫さんを愛情込めて見守ってくださりMさんに感謝です。

Kさん宅にいたころの猫さん

安らかに…おやすみなさい

お外の子の看取り