ちょっとした隙間時間でできる簡単なことで、頭がよくなれれば……そんな都合の良い話、あればいいなと思いませんか?

実は、誰でも脳が活性化し、記憶力や集中力を上げることができ、どこでもできる単純な運動があります。それは指回し体操です。

指回し体操とは、医師で、速読法・能力開発法を指導するSRS研究所長の栗田昌裕博士が開発した、人間の運動系や自律神経系の能力を高める体操。その効果から、一時期特に受験業界で大きく光が当てられていたものです。

今回は、そんなお手軽ドーピングである指回し体操についてご紹介します。

 

目次

指回し体操のやり方

指先の筋肉を動かすと、脳がフル稼働する

指先と脳に伝わる刺激の関係

α波が出て、リラックスできる

速読にも効果的

まとめ

 

指回し体操のやり方

まず、半球を包み込む感覚で両手の指先を互いにくっつけ、ふっくらとした円天井をつくります。 その状態で、親指から、互いの指がぶつからないようにくるくると回します。 回す方向は時計回りと反時計回り、交互に同じ回数だけ行います。最低でも各指20回、秒数で数えるなら30秒は回してください。

回す際の注意事項は、指が互いに触れ合わないようにすること。 というのも、この動きによって脳の空間認知をつかさどる領域を活性化し、姿勢制御系を刺激するためです。

はじめのうちは、特に薬指を触れ合わさないように回すことが難しいかもしれませんが、回数をこなし克服することで、良い効果が生まれます。ではその効果とはどのようなものなのか、説明していきます。

 

指先の筋肉を動かすと、脳がフル稼働する

指回し体操をすることによる大きなメリットとして、脳がフル稼働することがあげられるでしょう。

人間は随意運動(自分の意思に基づく運動)をする際、特定の目的のために身体をどう動かすかという判断を必要とします。その指令を出すのが脳の前頭葉にある前頭連合野。そして判断に応じて身体を動かすために、運動野に隣接する高次運動野が、ある部分の筋肉収縮をほどよく抑制したり他の部位の運動と連動させたりします。このように、随意運動の指令は脳の多くの部位が連動して行われているのです。

そのため、指を繊細に調節しながら動かせば、脳全体の活性化が見込めるというわけです。指先は、生活の中で最もよく使われる身体の部位。意識して動かすことで脳の働きをよくしたいものですよね。

指先と脳に伝わる刺激との関係

また、指先の運動が脳の活性化に効果的であるもう一つ理由についても説明しましょう。

脳が受ける刺激というのは、大別すると二つあります。ひとつが視覚や聴覚などの外部から受ける刺激で、もうひとつが温度や痛みなどの体性感覚として身体内部から受ける刺激です。

これら二つの刺激の中で、脳が受ける上でより即効性があるのは、後者の内部からの刺激。指先が感じた刺激が脳に伝わると、脳が活性化するのです。

こうした仕組みから、指回し運動は、脳の分野の多岐に渡る連携を必要とするだけでなく、体性感覚としての刺激を脳に与えるため、脳を活性化する上でも最も効率の良い方法であることがわかります。

α波が出て、リラックスできる

指回し体操をしている最中の被験者を調べると、心電図は波が小刻みになり、変動が少なくなるという変化が見られたのだそう。また、脳波はα波になっていることが認められたといいます。

α波が出ているということは、リラックスした状態だということ。この状態の時、脳は活性化し、創造性や集中力が上昇すると言われているのです。

加えて、指回し運動を続けていくにしたがって、首の付け根や顔面の血流が少しずつ増加するということも明らかになっています。これは、指回し運動が、運動野、高次運動野、補足運動野が連携するかなり複雑な運動であるがゆえに、脳の各部位のはたらきを支えるために大量の血液が動員されているためでしょう。脳に血液が集まれば、当然他の脳の部位の働きも活発になります。脳全体が活発になるというわけですね。

リラックスした状態で、集中力や創造力を高めながら、脳をフル活動させることができる。指回し運動は、まさに、頭を使わなければならない勉強や仕事にはもってこいの体操だと言えます。

速読にも効果的

指回し体操の考案者である栗田博士は、この運動を速読術のトレーニングに応用しました。というのも、栗田氏が運営する速読教室で、読書速度が遅い生徒には共通して「手先が不器用」という特徴があったためだと言われています。

栗田氏が、指回し運動を取り入れた速読研修を1回2時間で10日間、計20時間各地で実施したところ、それだけで本を読む速さが平均で10倍も上昇したそうです。特に本を読む機会が多い人は、その効率が以前の10倍にも増せば、より読書がはかどることでしょう。また、本を読むスピードが遅くて悩んでいる人にもぴったりのトレーニング法だと言えます。

読書速度だけでなく、計算力や認知機能(迷路の早抜け)の上昇がみられる人も多いと言います。指回し効果が脳に好影響を与えているのがよくわかりますね。脳の働きを全体的なアップにつながることは間違いありません。

まとめ

脳を開発するという名目でいろんな運動や体操が世に出ていますが、指回し体操ほど簡単で手軽なものはないと思います。 退屈な授業中に机の下で回してみたり、休憩中にリフレッシュのつもりでやってみたりしてはいかがでしょうか。

 

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