身体を横にして休ませているはずなのに、寝起き時に腰痛に襲われたり眠っていても腰が痛くて目が覚めてしまうという訴えは意外と多く、腰痛持ちの悩みの種となっています。

この記事にたどり着いたあなたも、その一人ではないでしょうか。

腰痛になる原因は人それぞれ様々ですが、アメリカの国立衛生研究所によると、一生のうちで腰痛になる、つまり背中の痛みを感じる人は、全体の8割にもなるそうです。

そこで、このページでは、すでに腰痛持ちの方に向けて。また、まだ腰痛持ちではないが腰痛になりたくない方に向けて、腰痛にならないための寝方を説明していきます。少しでも腰痛対策になれば幸いです。

   目次

腰痛と寝返りの関係

寝返りの回数が少ないと腰痛になると言われています。これはどういうことなのでしょうか。

まずは、腰痛と寝返りの関係を見ていきましょう。

  • なんで寝返りが少ないと腰痛になるの?寝返りが少ないということは寝ている間、長時間、1箇所に体重がかかり続けている状態になります。寝返りが多い人の場合、定期的に体重を支える身体の位置が変わることで、寝返りの少ない人と比較すると、身体への負担が軽減されています。また、寝返りをうたずに同じ体勢でいると、腰の筋肉が固くなり、腰の筋肉が凝った状態になり、腰痛になる原因になります。要するに、長時間身体の1箇所に体重がかかり続けているのに動かないから、腰の筋肉が凝った状態になっているという事です。
  • どんな時に寝返りするの?寝返りをすれば良いからと言っても、寝ている状態で意識的に寝返りをうてる人はいませんよね。では、人は睡眠中、どのような状態の時に寝返りしているのでしょう?睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があることは、知っておられる方も多いでしょう。簡単に説明すると、レム睡眠は脳の一部は起きているが、身体を休めている浅い眠りの状態。ノンレム睡眠は、脳が休んでいる深い眠りの状態です。このレム睡眠とノンレム睡眠は約90分周期で繰り返され、睡眠の約75%がノンレム睡眠。約25%がレム睡眠です。この状態が、睡眠中5~6回繰り返されます。さて、寝返りをうつのは、レム睡眠とノンレム睡眠、どちらのときなのでしょう。実は、ノンレム睡眠の時に寝返りをうっているのです。つまり、浅い眠りの時ではなく、深い眠りの時に寝返りしていることになります。
  • 腰痛になる「寝返りがうてない状態」になる、負の連鎖の正体は?人間には、意志に関係なく機能する器官の働きを調節する神経「自律神経」があり、交感神経と副交感神経に分けられています。昼間活発に仕事や運動、緊張などするときは、交換神経が活発になっており、ゆっくりリラックスしたり、身体を休めたりするときは副交感神経が活発になっているのが正常な状態です。レム睡眠とノンレム睡眠が正しい周期で交互に訪れる状態になるには、副交感神経が活発になっている必要があります。交換神経が活発なままだと深い眠りに入れない状態になっているからです。つまり、寝返りが少なく、寝起き腰痛になりやすいあなたは以下のような悪循環に陥っている可能性があります。
    • 交感神経が活発なまま就寝
    • 深い眠りに入れない
    • 寝返りを打たない
    • 身体への負担が大きいうえに、筋肉が凝った状態
    • 寝起き腰痛になりやすい

この負の連鎖が腰痛を引き起こしていたんですね。腰痛と寝返りの関係がわかっていただけたでしょうか。

朝、寝起きに腰痛にならないための寝方。3つの方法

それでは、どんな寝方で寝ればよいのでしょうか。

朝、起きがけに寝起き腰痛にならないためには、寝ている時に、背骨を本来ある正しい位置にしてあげることが重要だと言われています。

腰痛でノンレム睡眠に入れない方、寝起き腰痛がひどい方等、腰痛が原因で質の良い睡眠が取れていない方の参考になれば幸いです。

  • 1.仰向けで膝を立てる寝方 仰向けで足を伸ばした姿勢で寝ていると、足を伸ばすことで骨盤が引っ張られてしましまいます。そうすると、その引っ張られた力が 腰に伝わり痛みを引き起こしてしまします。仰向けで膝の下に硬い枕などをおいた姿勢の寝方であれば、骨盤が引っ張られることもなく、背骨がニュートラルで正しい位置のままの姿勢となります。
  • 2.横向きで少し丸まる寝方 この寝方も、前述の「仰向けで膝を立てる寝方」同様に骨盤を引っ張ることなく、楽に寝ることの出来る姿勢です。横向きに寝て少し丸まるだけでも楽なのですが、抱き枕などを抱えて眠るとさらに効果的だと言われています。
  • 3.うつ伏せ寝を回避する寝方 うつ伏せになった寝方は、腰に一番良くない寝方だと言われています。うつ伏せ寝は、腰だけではなく、首にも負担をかけてしまっています。また、身体のいろいろな部分を歪ませてしまう可能性があるのです。日常的に下を向いて、うつ伏せ寝してしまう人は、胸の下にテニスボールを入れて寝る事を推奨している医師もいるそうです。どういうことかというと、まずは、いつものようにうつ伏せの状態で寝ます。その時にテニスボールを胸の下に入れます。この状態で眠ってしまいます。すると、あまりの不快さで自然に仰向けになっているということなのです。以外にも効果があるそうなので、うつ伏せ寝してしまう人は、この寝方も試してみるのも良いのではないでしょうか。いかがですか、寝起き腰痛にならないためには、正しい寝方を理解して実践してみることが大切です。今夜から早速取り入れてみましょう。

番外編

  • 硬いマットレスを使用する すでにマットレスを使っているというあなた、マットレスの交換時期が来ていませんか。マットレスの交換時期は5年くらい、良質なマットレスであれば10年くらいと言われています。硬いマットレスは、あなたの寝姿勢をしっかり支えてくれます。ただ、硬すぎる高反発マットレスは腰部分の背骨のカーブに負担がかかり寝返りを打ち過ぎてしまいます。逆に、やわらかすぎる低反発マットレスの場合は、背骨のS字カーブを支え、腰の負担が軽減されますが、寝返りが打ちにくく何時までも同じ姿勢になりがちな為、1ヶ所に負担が掛かり過ぎてしまいます。前述したように、寝返りが少ないと腰痛になりやすいです。低反発マットレスや、薄いマットレスでは寝返りがうちにくいので、ある程度厚みのある、高反発マットレスがベターであるといえます。

【おまけ】腰に負担をかけにくいデスク環境を作ろう

高さの合わないデスクやチェアで長時間作業を続けていると、疲労が蓄積して腰痛や肩こりなどの原因となることがあります。最近では立ったまま使えるなど高さの調節が出来るデスクもあるので、同じ姿勢が長時間続かないように工夫してみましょう。特に会議は立ったまま行うと無駄な時間が無くなって効率が良くなりますよ。

まとめ

今回は、「腰痛に最適な寝方」について書かせていただきました。

このページを読んでいただいた事で、そもそもなぜ、寝起きに腰痛になってしまうのか、という所まで理解していただけたのではないでしょうか。

根本的な原因は、質の良い睡眠が取れていない、つまり、ノンレム睡眠に入れていないという事だったんですね。

毎日キチンとノンレム睡眠を行えるように、リラックスを心掛けましょう。

 

他にも色々載せているので気になる人はフォローをお願いします。