新しいお話始めます。
今回は暗めなお話で、にのちゃんが少し可哀想なお話になってます
なお内容が問題なので6話から全てアメ限になってます
大宮妄想小説です
BL要素含みます
パラレルです
side O
最近、会社の同期の翔くんの様子がおかしい。
何か浮き足立ってるっていうか、幸せオーラみたいなものが出てる気がする。
「翔くん、最近何か良い事あった?」
「えっ、智くんどうして?」
「何かウキウキしてるし」
「智くんには言っちゃおうかな……」
翔くん、好きな人が出来たらしい。
ハッテン場で出会ったから相手は本気ではないかもしれないけど、翔くんは本気みたい。
カズという子らしい。
カズ……
その名前を聞いて胸が痛む。
俺には後悔している事がある。
何故、あの日あの時、俺はあんな事を言ってしまったのか。
子供だった。
自分の事で精一杯だった。
だから、恋だと知る前に俺の恋は消えたんだ。
高校1年。
同じクラスになって知り合った二宮和也。
俺とはまるで違うタイプだったけど、気が合ってずっと2人でいた。
会話がなくても焦って話題を探さなくても良いし、知り合ったばかりなのに、昔から一緒にいたかのような気楽さがあった。
高校1年の3学期もあと数日で終わる頃だった。
学校が終わって帰り道、俺は色々あってすげー気分が悪くて嫌な気持ちで帰宅した。
すると俺の家の前に和が立っていて。
「あっ、大野、おかえり、……っ、何かあった?」
俺の顔を見るなり、心配そうにこちらを見つめる瞳。
和はいつも俺の気持ちをすぐに察してくるんだ。
「なんもねぇよ、和はどうしたん?」
たいして顔を見ないで話す。
正直早く帰って欲しかった。
それ程俺の気持ちは最悪だった。
「あっと……、今日泊めてくんないかな?」
母親が一泊で出掛けるらしく、義父と家に2人っきりで気まずいという。
最近再婚して一緒に住み始めたという義父は、悪い人ではないけれど、何だか気持ち悪いと前に言っていた。
妙に優しくて、そして身体に触れてくると……。
それを思い出して、俺は更に自分に起きた出来事を思い出してムカムカしてきた。
「大野?」
明らかに不機嫌そうな俺に、どうしたんだっていつも通り触れてくる和。
触れられる前に思わずその手を叩き落とす。
「触んな!気持ち悪りぃんだよ」
和は酷く傷ついた顔をしていた。
それでも俺の口は止まらなかった。
「大体、親父さんが触ってくるのもお前がニコニコ笑って自分からも触るからだろ!
隙があんだよ!
自分で誘ってんじゃねぇの?
嫌なら自分で何とかしろよ」
「あっ……、そうだな、ごめん……」
今にも涙が溢れ落ちそうな瞳。
けれど、それを見せる事なく和は踵を返した。
「頼ってごめん、帰るわ……」
俺も見送る事なく家に入る。
最低な事を言った自覚はあった。
けれど、その時の俺は自分の事しか考えられなかった。
翌朝、さすがに冷静になって自分が言った言葉を思い出すと酷過ぎて自分でも呆れるぐらい。
和は謝ったら許してくれるだろうか?
綺麗な薄茶の瞳を輝かせて笑ってくれるだろうか?
自分に起きた最低な出来事も含めて全部話して、許してくれるまで謝り続けよう。
いつかは許してくれるだろうって、少し楽天的に考えていた俺は馬鹿だった。
俺はずっと許してもらえていない。
それから、和には会えなくなってしまったから。
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