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吐出場

とりあえず吐き出すものは吐き出す

大丈夫 僕は前を向いている

大丈夫 いつも通りの僕だから

ほら普段通りにおどけてる


他人が僕に聞いてきた。

「あなたは明るいね、どうして明るくいられるの?

 私は駄目だわ、落ち込みやすいし立ち直るほど強くないもの」

そういって彼女は弱い自分って仮面をつけた。


「僕にはその仮面が滑稽に見えるんだ どうして欲しいんだい?

 どうせ仮面をつけるなら、他人を笑わせられる仮面を

 その裏に棘がついていたって、誰も仮面の下の傷には気付かないから」


大丈夫 何とかなるさ

大丈夫 そのうち良い事あるさ

ほらまた自分に言い聞かせてる


また他人が僕に聞いてきた

「どうやったら堂々と上手く話せるの?

 僕は駄目なんだ、人見知りが激しいからね」

そういって彼は臆病な自分って仮面をつけた。


「皆その仮面をかぶってるの知ってるかい?

 僕は素手でそれを叩き割るんだ

 もちろん僕の手は赤く染まって 痛くてうずくまるんだけどさ

 その間に割られた仮面同士が仲良くなるって算段さ」


大丈夫 皆が楽しければ僕も楽しいんだ

大丈ぶ 腕組みすれば傷も隠れる

ほら僕って痛みに強いタイプなんだよね


「あなた将来の心配とかなさそうだよね 羨ましい

 私は駄目だ あなたみたいに自由にできない ああ羨ましい」


「ほんとにそう思ってるのかい?

 羨ましいなら 真似てみればいいじゃない

 その先にあるものを教えてあげるよ

 夜の部屋 独り膝を抱える自分を想像してごらん」


大丈夫 僕はもうそれをずっと続けてきたんだ慣れてる

大ジョウ夫 顔も拳も真っ赤だけど 僕の仮面は綺麗な色で笑ってる

ほらこんなことをおどけて言えちゃう僕だから


大丈夫 大丈夫 


近頃仮面がくたびれてきて 少しヒビ割れてるんだ

最近よく手も震えるんだ


まぁ大丈夫 ダイ丈夫


あれ?そういえば直し方知らないや 誰か知ってる?


ダイジョウブ もう仮面が割れたって 真っ赤な僕が出てくるだけで

ダイジョウブ 真っ赤な僕を使って笑わせてみせるから

まだそのくらいはできると思うんだ



その後どうなるかなんて知らないけどまぁ

ダイジョウブダイジョウブ きっと楽しく過ごせるはずだね