患者様を顧客、医院を販売店として捕えた場合、一般経営となんら変わりはない。
病院で売っているのは医療である。
競争社会であり、経営努力なしでは生き残れないのは周知の事である。
可能なかぎり最先端の知識とそれを施行するための技術を持ち,医療器具を備えるようにしている。
今や,量よりも質、すなわち良質な医療が求められている。
しかし、最近はもう一つの要素、時間が問われるようになって来た。
私医院では5年前から完全予約制を採用し、この問題を解決できると信じて来た。
患者様を待たすことなく診察できるのはサービスの一環であることに間違いはないのだが、しかし最近、このロジックには大きな危険性がはらんでいたことに気づくようになった。
予約時間を重視すれば、時間に押されるあまり、説明、検査、処置が希薄になってしまったのだ。
患者様をお待たせしないよう、時間に押されるままに診察をする。
これでは本末転倒ではないか。
今後は患者にとって良質で満足のいく医療を行なえば,時間が掛かっても納得してもらえると信じている。