以下は消費を煽る訳では無いが、前から不思議に思っていたことなので書いておく。
日本だけで生活している日本人はおそらく気がつかないと思うが、 日本の消費文化は凄まじい。広告その他、買わせようという工夫がすごいのだ。デフレで消費が冷え込んだ結果だろう。日本に一時帰国すると両替した 10万円は羽根が生えるかのごと消えてなくなる。一方 ベトナムでは消費文化が 未発達 だから買いたいものも全然ないし、 お金が そこまで減ることはない。社会主義市場経済だからね。
YouTube でよく見るのは、
「(材料費急騰でも)値上げをしないで頑張っています」
の食べ物屋系の動画。
これは本当に不思議。海外で同じことはあるのか疑問である。適正価格が市場にはあるのだから、それに応じて値段を決めればいいだけの話じゃないのか。日本人は貧乏自慢が好きなのだろうか。
その裏で働かされている従業員が安い給料に甘んじている現実は、どうやったら解消されるのだろう。
そう思っていたらホリエモンが
「こんなの日本だけ。さっさと値上げしろ」
というようなことを言っていた。安く売ることは必ずしも美談でも何でもなければ、自分たちの全体的な経済力をそいでいるだけというわけだ。
大東亜戦争中にこれとは真逆に
〈贅沢は敵〉
だと政治指導者が宣伝したが、これは国民自身が盛り上げたところもある。日本人にはこのように金をたくさん使うという事に対する背徳感のようなものがそもそもあるのかもしれない。その点では戦争中から変わっていないのだろうか。失われた30年を支配したデフレには日本人の国民性があるようにも思う。
ここベトナムでも高齢者で経済的に余力のある日本人が、ボランティアで日本語を教えていた。私は批判して
「あなたのような日本人は私たちの業界の敵です」
と言ってやった。ボランティアのみならず不当にダンピングしている日本人も多い。ベトナムに来てもデフレ感覚で自分たちの価値を下げる。これではいくら経っても日本人は豊かにならない。政治の責任にする以前に、自分たちの
〈安物買いの銭失いのしみったれた根性〉
を無くさなければ日本経済が良くなることはないだろう。いいものにはそれなりのお金を払って買う。それが日本人のみならず普通の人間のあるべき態度。