7月はｼﾞｮﾝ・コルトレーンの命日もあり
今年で何十周年目となるのだろう。
彼には遠く及ばないが、つかこうへい氏も
鬼籍に入られて早や10数年である。
つか芝居との付き合いを翻ってみれば、
10代の大学生時代からである。

高田馬場の東芸劇場はじめアングラ演劇発表の場
として小さな小劇場がひしめいていた頃から
「郵便屋さんちょっと」などつかさんの脚本は
脚光を浴びており、本家のつか劇団は
小劇場を飛び出し、新宿の紀伊国屋ホールへと
拠点を移し圧倒的な人気を博し始めていた.

まあ、そうした歴史の生き証人としてリアルタイムで
つか芝居に臨場を重ねら社会人となってからも
つか芝居が上演されれば渋谷のパルコ劇場でもシアターモールでも、
下北沢の本多劇場にも、すずなりへも、
仕事を早めに切り上げ出かけていったものだ。
（仲間の職場のスタッフや、上司にも理解があったのは幸いした）
仕事や家庭など色々と多忙になってくると
その後こちらも齢を重ねて、中々芝居へと足を運べなくはなったものだが、
初期メンバーが離れたつか芝居でも、あのやさしさと切なさと人間の弱さを
つかさん一流の毒で包み込み自動小銃のように発せられる攻撃的なセリフは
若い俳優の卵たちにより継承されていく。

現在でも初級革命口座飛龍伝や熱海殺人事件などの幕がかかれば
つか演劇はこうして脈々と次の時代を担う芝居関係の方々により
つか芝居の特徴であった「口伝」で引き継がれていくのだなあと
しみじみと思う。

命日だからといって、抹香臭い話はなしである。
もうすでに合掌もしないが（しなくとも良いではないか！）
故・三浦洋一氏や加藤健一氏、平田満氏などの
初期メンバーのあの熱かった舞台での当時の「絵」を思い出し、
今日はつかさんを偲ぶこととしたいのだ。

つかさん命日