私が通っている公共施設のプールの合間に社交ダンスを覗くことがあります。その中にいつも群がっている中心に社交ダンスの先生がいらっしゃいます。その先生は辛口でとっても厳しいんですが、いつも教えを乞う人が集まってああだこうだを口角泡を飛ばしています。先生も年に2回ほど胴元になってパーティーが開かれますがいつも満杯です。人柄のせ
いだと思います。ある方から”あんたも習いに行けばヨ
カ”と言われて先生のレッスン場にも行ったことがありますが付いていく自信がないまま公共施設で偶然お会いして気軽に声をかけて踊っていただきながら、”違おうが!ちゃんと背筋を伸ばさんば!”と叱られながらヨチヨチ歩きをしています。そんな、ある日”時間があったら見に来んね”と言わ
れて覗いたのがこのコンサートでした。先生の応援団が大勢きています。私が飛び込んだときは綺麗どころの芸者衆が舞
っているのかと見紛うばかりの日本舞踊だと思いながら最前列に陣取って、よ~く見てみましたら目一杯、厚保化粧した元少女のレディの集団でした。しかし年季のはいった踊りは会場から、やんやの喝采を浴びていました。そのあとこのレ
ディの集団のおっ師匠さんが、「織田信長」を腰痛を押して見事な舞を披露してありました。やっぱおっ師匠さんと言われるだけに迫力がありました。続いて薄暗い中、大勢の人が
入場してきました。すぐ演奏かと思いましたら、誰かが”あらひとり来とらん”と囁く声が聞こえてきました。すると司会者が”お名前は申しませんが、7景にご出演の方みなさん
がお待ちです。すぐ舞台にお越しくださ~い”とアナウンスの最中に小太りのおばさんが悠々と席に着き「365日の紙飛行機」の演奏が何事もなかったかのようにはじまりました。そうしてこのグループの演奏のファイナルの前に”つぎ
に出演される方、恐れ入りますが今から舞台の袖にお集まりください”というユーモアーたっぷりのアナウンスが場内に流れますと爆笑が起こりました。高齢化社会を象徴するような珍事でした。
生意気なことを言いますが先生は私には”背筋を伸ばさ
んば”と言いながら大正琴の演奏のときは前屈みで、楽
譜を見てあった姿をみてハグしたくなりました。
世相覗き屋 ぐっさんハイ