アンコールワットの旅2日目は16時の便でタイへ帰るため、持ち時間は午前半日のみ。もともとの計画が1日目の午後はアンコールワットざんまい、そして2日目の午前はトゥクトゥクを雇ってアンコールトムのバイヨン遺跡周辺を巡ることにしていました。そしたら、たまたまタイへ出発直前にネットでアンコールワットを調べていたら、午前中4時間のアンコールトムとタ・プロームを巡る日本語ガイド付きツアー、1万円也の広告が目についたので、それも面白いかもと思って申し込みました。結果時にはこの判断は大正解で、それなりに楽しめました。やはり日本語の説明があるとより理解できますし。それに他のお客と混在のはずが参加者は私一人、大きなワゴン車にドライバーとガイドと私の3人きりでぜいたくなツアーでした。
ガイドはカンボジア人で、日本語は流暢とはいえないまでも必要にして十分なレベルで特に不自由はありませんでした。ホテルを8時に出て、まずバイヨン寺院遺跡へ行きました。道中アンコールワットの前も通りましたが、昨日の芋の子を洗うような人出が嘘のようにがらんとしていました。聖人恐るべし。
バイヨンの中でレリーフの説明を受けながらしばらく散策しました。こちらのレリーフもやはり大半は戦争についてでした。アンコールワットと違い、ガイドが説明してくれるので分かり易かったですね、こちらの戦いは主にベトナム方面から侵入してきた敵ですが、ベトナム人というよりはガルーダっぽい絵があるなと思ったらインドネシア勢力との戦いだそうです。アンコールワットと違い、こちらは文字が刻まれていないので、内容の詳細は完全には分かっていないらしいです。その後は歩いて裏手方面にあるパプーオン遺跡から像のテラスを巡りました。これだけでも結構な距離を歩きます。
アンコールトムの南大門。アンコールトム内は車が入れます。
バイヨン寺院
バイヨンの修復には日本も援助しています。
バイヨンのレリーフ。
パプーオン遺跡の参道
パプーオン
象のテラス
バイヨンエリアを出て、車でタ・プロームへ移動しました。こちらは木の根が遺跡に絡みついているので有名なところです。大半は崩れた状態ですが、徐々に修復していくらしいです。本当に自然の力はすごいですね、このまま放置して数千年の時を経たら遺跡そのものの存在が自然によってかき消されてしまうのでしょうね。
タ・プローム
タ・プローム。一瞬大蛇に見えました。
タ・プローム。あ、このお二人はたまたま写っていた無関係の人です。私以外大半は白人客でした。
タ・プローム
アンコールワットはもとより、バイヨンもパプーオンもタプロームもどれもが圧巻で、本当に無理しても来てよかったと思いました。50年来思い続けてはいたものの、まさか本当に実現できるなんて思ってはいませんでしたが、見えざる手にでも導かれたような不思議な気持ちです。正味1日しかなかったので、割り切ってアンコールワットとアンコールトム周辺に限定したため、ちょうどいい時間配分になりました。少し半径を広げれば見るべき遺跡は山ほどあるので、ある程度足を延ばすとなると最低でも3~4日は必要なようですが、取りあえず暑い上に各遺跡でそれなりの距離は歩くし、わたしのような60代以上の人間には朝から晩まで連続して遺跡巡りをするのは体力的にあまりお勧めできません。それに少々費用はかかってもガイド付きの冷房の効いた車で移動するツアーを買った方が体も楽だし、旅そのものが楽しめると思います。
これで足掛け2日、実質1日のアンコールワット弾丸ツアーも終わり、昼前にはホテルに戻ってきました。実際に来るまで心配というか気になっていたことが2点ありました。一つは現地内と市内から空港への復路移動のやりくり、もう一つは通貨、これは米ドルなのか現地通貨なのか一体どっちを持っておくべきなのかが疑問のままでした。
まず移動の問題は、前記事で書いたように着いたとたんに即クリアできました。次に通貨のことですが、事前に調べたらほとんど米ドルが流通していると書いてあったものの、ちょっと前に来た娘によると現地通貨(リエル)で問題なかったと言われ、一体どっちやねん?と思っていたわけです。実際に来てみたらやはり米ドルがメインでしたね。ただ高額紙幣はNGで、5ドルと1ドル紙幣をたくさん持っておくことが大事です。例えば水を買おうと思って「なんぼ?」と聞くと1ドルと答えるので1ドル紙幣を渡すと、なぜか40セント相当くらいの現地通貨をお釣りにくれたりするわけです。「1ドルと違うんかい?」と思いながら、似たようなことを繰り返していくうちに現地通貨が結構たまります。これをチップとして捌きながら支払いは米ドルでというパターンで何とかうまく回せました。まあ、ホテルや入場料はクレジットカードを使い、できるだけ現金は手元に残すように心がけていたので、現地で使った現金の米ドルは約40ドル以下でした。手持ち紙幣の関係でガイドとドライバーには相場以上のチップを渡すことになったのはちょっと痛かったのですが、まあこれも仕方ないところもあります。何せホテルでも崩してもらえなかったので。あと現地通貨で1ドル=4000リエルととてもややこしい単位で、事前に手持ちのリエル紙幣を1ドル分ごとにまとめておかないと咄嗟にチップとしては出しにくいので要注意です。
以上で長編旅日記の終了です。長々とお付き合いいただきありがとうございました。それにしても、今回の旅については自宅を出て帰るまで、ある程度見切り発車で「行ってから様子を見て判断しよう」と思った部分が少なからずありました。特にアンコール行については飛行機と宿以外は、ほぼ行き当たりばったりでしたが想定していた以上に全てがうまく行きました。過去、私が何か大きめの計画をするときは、たいていそれを邪魔をするような何らかの問題が発生していました。でも今回はすべてのピースがぴったりとはまり、実にスムーズでした。というか想定以上にうまく行きました。ありがたいことです、感謝感謝。残り少ない人生、今からでも潮目が変わりこの調子で行って欲しいものです。