タイへ到着して2日目は7時前には宿を出て午前便でアンコールワットのあるシェムリアップへ移動しました。この日の午後と3日目の午前の足掛け2日・合計1日分の見学時間と非常にタイトなスケジュールでしたが、私にとっては「来た!」「見た!」で終わっても、取りあえず50年思い続けてきた地に立つということが重要でした。とはいえ、結果的にはアンコールワットとアンコールトムのメジャー限定だとちょうどいい時間配分でした。
シェムリアップ空港が10月16日で新空港に移転したため、旧空港と比べて市内との距離が約45キロと大幅に遠くなり、移動時間も費用も増えました。そのため移動手段の選択肢からトゥクトゥクを外さなければならなくなり、空港と市内の移動をどうするべきかちょっと悩んでいました。空港からホテルまでの行きはホテルのピックアップ(US$35)を予約していたのですが、ホテルからアンコールワット、そして帰りの市内から空港は行ってから様子を見て考えようと思っていました。
シェムリアップに着いた時には雨が降っていたのですが、入国手続きを終えて外に出たら晴れていました。昨日のアユタヤといい、何か持っているのでしょうか?
でまあ空港で無事にホテルのドライバーと合流して市内へ向かう途中で、これからの予定を聞かれたので上のようなことを話しました。そしたらホテルからアンコールワットへの送迎を$20で請け負うから自分を雇えと言い始めました。トゥクトゥクでも$15程度はかかるようなのでエアコンのきいた車で$20なら許容範囲だったし、ブロークンでも英語が話せる相手ならこちらにも都合がよいため交渉成立。結論としてそのまま翌日の空港送り便も含めたトータルで$90をホテルに払うことになりました。始めはホテルではなく自分に払えと言っていたのですが、なんかまずかったらしくて、後から料金はホテルに払って、その代わりにチップを多めにくれと話が変わりました(笑)。まあ私にとってはホテルにまとめて払う方がリスクが減るので結果オーライでした。おかげで2日目の出発までの時間もホテルの涼しいロビーで休めましたし。
結局ドライバーとの交渉が成立したところで、ホテルに行かずに直接アンコールワットへ向かうことになりました。まずは入場チケットを購入するためにチケットオフィスに行きました。料金はエリアの遺跡の大半に通用する1日券が$37、3日券が$62で、私の場合は足掛け2日となるため3日券を購入しました。
アンコール遺跡群共通パス(3日券)、右の白抜きに顔写真が入ります
その後アンコールワットの前で車を降りて長い長い参道を歩き始めました。目の前にはあこがれ続けてきたアンコールワットが近づいてきています。まだ本当に自分がこの地にいるという現実が心のどこかで受け入れられていませんでしたね。残念ながら堀を渡る参道は修理のため閉鎖中で、100メートルほど離れた仮橋を渡って中に入ることになりました。それとこの日はカンボジア仏教の特別な日に当たっていた上に、聖人がアンコールを訪れているということで、その聖人を一目見ようとする人々が数万人規模で集まっており、参道は満員電車状態でした。おかげで周辺道路も大渋滞でした。こんな日に来た私は果たして運が良いのか悪いのかどっちだったのでしょうか?
人の波をかき分けながら第1回廊まで来たら、まるで結界の内外のようにその内側はがらんとしていて観光客はまばらという信じがたい光景でした。取りあえず、第1回廊・第2回廊を巡り第2回廊内側の第3回廊のある寺院本体を囲う中庭で1時間くらい座り込んでいました。佇んでクメールの気を感じていたといえば聞こえはいいのですが、残念ながらそういった感性がない人間なんで、ほんの真似事だけ。ちなみに第3回廊はこの日のような聖なる日は一般人の立ち入りは禁止でした。
ここは堀の手前のアクセス道路ですが、ここでもこの人出!
橋は閉鎖中でした。この橋の向こう側にある門を抜けたら数百メートルは満員電車状態。
第1回廊から中は人が全然いませんでした。
階段の上が第3回廊です
第1回廊の壁にはずっとレリーフが刻まれていますが、大半が戦いの様子を描いたものでした。事前勉強もしておらず、どれも同じように見えるといえば見えるのでほとんど横目で見ながら通り過ぎてしまいました。翌日雇ったガイドによればレリーフのところどころに、その場面の簡単な解説文が彫り込まれているらしいです。それと興味深かったのは象の戦車も描かれてはいるものの、やはり馬車のほうがはるかに多く描かれていたことです。馬車を使っていたんですねぇ。
アンコールワット見物に3時間取ったのですが、ちょっと長過ぎるくらいでした。私の場合、第3回廊下で小1時間佇んでいたのと、異常な人出で5分程度で抜けられるはずの参道を進むのに30分近くかかったので3時間でもよかったのですが、通常なら2時間も取ればいいのではと思います。ただしガイドを雇った場合は、説明時間を考えると何とも言えませんが。
第1回廊のどこか
馬の描かれた第1回廊壁面のレリーフ
アンコールワットを堪能してドライバーと無事に合流、今度は本当にホテルに向かいました。さすがに歩き疲れたので部屋から出る気はなかったのですが、ホテルのそばにオールドマーケットという繁華街があったので部屋で2‐3時間休んだ後、ちょっとだけ出掛けてみました。結局$5ドルの足マッサージがあったのでつい受けてしまい、あとは何も買わずに帰って寝ました。